シャンペンの泡と恋人のキス
Fri.16.03.2012 Posted in 恋愛
奴がもらってきたシャンペンは、いつも口にするものよりも甘くて炭酸がきつかった。
それで乾杯をした後にキスを交わせば、その華やかな刺激に感化されて、楽しく戯れたい気分となった。

「もう一度キスして」

奴はそう言って微笑み、シャンペンを口に含んでオレの顔を引き寄せた。

オレは奴にキスをした。舌を差し込ませて、深く。
すると奴の口の中のシャンペンがオレの舌を包んでパチパチと弾けた。

「ジリジリして刺激的だ」
「ふふ」

奴は柔らかな唇でオレの唇にチュッとして、それから再び深く唇を重ねてオレの舌を吸った。

オレは誘われるまま奴の口の中に舌を差し込ませた。
けれどその途端、オレは奴の歯に強く舌を噛み付かれた。

チクリ、と舌に痛みが走った。
オレは「うっ」と呻いて反射的に舌を引っ込めようとしたが、奴はオレを逃すまいとしてより強く歯を立てた。

命令だよ、じっとして。
そんな奴の声が聞こえたような気がした。

オレはシャンペンよりもずっと強い刺激を味あわされた。
けれどそれは紛れも無い苦痛であるのに、シャンペンと同じような甘い陶酔をオレに与えていた。

「お前の尖った歯が刺さって血が出るかと思った」

ようやくキスから解放された後、まだジンジンと痛む舌を庇うようにオレは自分の口に手を当てた。

「こんな美味しいシャンペンに血の味は混ぜたくないから安心して飲んで」

奴はそう言ってオレのグラスにシャンペンを注いだ。

傷付ける強く噛んだりはしないから、ボトルがカラになるまで炭酸とキスの刺激を楽しんで。……と、オレに囁くように。

オレは奴が差し出したグラスを受け取った。
少しも拒もうとしなかったのは、既にあの甘美なキスに酔わされていた為だったのかもしれない。

<余談>
奴の上の歯は、前歯と奥歯を除いて尖っているものが多い。
だから噛み付かれると本当に突き刺さるように痛い(泣) だがそれが良い(マゾ)

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