好きだという色褪せない言葉
Sat.21.09.2013 Posted in 恋愛
奴が焼き鳥をメインに食べたいと言ったので、奥久慈軍鶏(しゃも)で有名な銀座の軍鶏料理店に行くことにした。

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オレ達が入ったのは比較的早い時間だったが、店内は既に満席に近い状態だった。空いている席は全て予約席だったので満席と同じだったが。

外国人の客が5組いて、予約を入れずに来た客が次々と入店を断られている様子を見て、「きっと美味しいんだろうね」と奴はワクワクしていた。

まずは赤ワインをボトルで頼んで乾杯。
それから次々と運ばれて来る軍鶏料理を食べながら楽しく話をした。

「ここの焼き鳥はバラエティだ」
「以前は銀座の焼き鳥屋といえば他の店を利用していたんだが、そこが芸能関係者ばかりをもてはやすようになって行かなくなった。そんな時、同じように思っていた知り合いがここを教えてくれたんだ」
「そんな事があったんだ。でも、ここってとても良い店だよ。美味しいし落ち着く」
「そう言って貰えて良かった」
「レバーが美味しい」
「オレはレバーって苦手だが、ここのは美味しく食べられるんだよな」

レバー好きの奴は、バケットに塗って食べるレバーのパテを好んだ。
「おかわりしたい」と言ったが、まだまだメニューは続くのでまたの機会まで我慢してもらった(実はこのパテ、モダンフレンチの重鎮ジョエル・ロブションが絶賛した逸品なので、奴が惚れ込むのも無理はなかった)

焼きチーズ(串に刺したチーズがとろけて出てくる)、親子丼、と続いた時、物珍しさに奴は喜んだ。

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「さっきの焼きチーズも美味しかったけど、この親子丼も美味しいね」
「軍鶏の肉が柔らかくて良い味だろ?」
「うん、それに軍鶏の肉はキレイだ。新鮮で臭みが全然ない」

いつもなら食事をしながら色々な話題が出てくるのだが、今日は料理の話ばかりに集中した。
それだけ奴は気に入ってくれたのだろう。今夜はこの店を選んで良かった。

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デザートに、軍鶏の卵で作ったプリンを出された。
普段それほど甘いものを好まない奴も、これには絶賛の声を発していた。

「なんて美味しいプリン。甘さがキツくなくて味が濃厚なのが良いね」
「デザートまで褒めるなんて珍しいな」
「そうだね。ふふ、こんなに美味しい店に案内してくれたお前を愛してるよ」
「ははは、餌付けが成功した」
「うん、成功。でもね、本当に大好きなんだよ。お前との食事はとっても楽しい」
「それはオレの台詞だ。今度は貴方をどこに連れて行こうって、レストランを決めるのも楽しいんだ」

もう何度もセックスをして、フェチやらSMやらもして、付き合いも3年以上になったが──しかし美味しい料理を一緒に食べている時、たまにオレ達は付き合い始めたばかりの頃のように初々しくなる。

どうやら奴は、美味しいものを食べて楽しくなると恐ろしく素直な言葉を口にしたくなるらしい。そしてオレも、そんな奴に釣られて素直になってしまう。というか、ならざるを得なくなる。あんな人懐っこい笑顔で「大好き」なんて言われたら、な。

純粋な気持ちで誰かに言う「好きだ」という言葉には、初々しい気持ちを蘇らせる言霊が秘められているのかもしれない。

それならオレは何歳になっても奴に「好きだ」と言ってやろう。
いつまでも奴への気持ちを枯らせたくはないし、それにその言葉を言う時、オレ自身も幸せな気持ちになっているから。

「この後は買い物をする?」
「今夜も月がキレイだからホテルに行くか?」
「え」
「あのホテルの部屋が空いていれば……」
「あのホテルって、あの?」

オレは奴に頷いて見せて、そのホテルに空室状況を問い合わせた。
だがバルコニーのある部屋はソールドアウト! まあ、金曜日の夜に人気のラブホテルを確保するのは至難の業だからな(汗)

仕方がないので、買い物をして帰る事にした。
明日は、オレは仕事、奴は学校の課題の追い込み。「お互いに頑張ろうな」と、明日の朝食の材料を買って帰宅した。

早く明日が終われば良い。
今夜は既に夜更かしをしているので、明日は眠気で辛い1日となりそうだ……。

土曜日に、ましてや連休の初日に仕事なんて信じられないぜ。
だがそれは来月に有給を取る為だからな。
だから頑張って行かなくてはならない。奴とハロウィン・インパデートをする為に!

という訳で、
皆さんも楽しい金曜日を過ごされたか?

連休でもうレジャーに出発されている方もいるだろうな。
どうか楽しい休日をお過ごし下さい。連休中にも幸運な事がたくさんあるように応援しています。

では、今夜もゆっくりと心地の良い眠りを。
おやすみ。

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