夏場のデートは、お化けアイランドへ
Tue.09.07.2013 Posted in 恋愛
今日も暑かった。
社内ではずっとエアコンを付けていたが、日中は窓辺に立つと外の暑さがムンムンと伝わってきた。
こんなにも早い時期に猛暑になるのは珍しくて体調を崩している方もいるようだが、皆様は大丈夫だろうか?

オレは、昨日の悪酔いをちょっと引きずっている。というか、昨夜は何故か夜中に数回起きてしまったのでちょっと寝不足だ。

「寝苦しかった?」
「いや、涼しかったけど、何でだろう?」
「判った」
「何?」
「地獄の蓋が開いちゃったんだ。真夏みたいに暑いから、もうお盆が来たって亡者達が勘違いしてお前の枕元にぞろぞろと並んだんだよ」

と、今朝は起きてすぐに奴とそんな話をしたが、
や、止めてくれ(汗)

だが実は昨夜、奇妙な話を聞いたので、奴の台詞が偶然ではないような気がしてゾッとした。
昨夜オレ達の席に就いたホステスのお客さんが『見たことがある』と言ったらしい。

蒸し暑いお盆の深夜、朝まで営業している地下のバーに入ろうとして階段を降りたら自分の後ろに続く者がいた。
階段のライトが二人分の影を壁に作ったので気付いた。
背後にいるのは細身の女性で、手に傘を持っていた。

『今日は天気が良かったから日傘』

と、その方は思い、それを確かめるべくチラリと後ろに視線をやった。
だがそこには誰もいなかった。
おまけに、さっきまであったハズの壁の影もなくなっていた。

「たいして怖い話じゃないじゃない。襲ってきたワケでもないし、血まみれの姿を見せたワケでもないんでしょう?」

と奴は笑ったが、オレには十分にゾッとする話で、これを聞いた時には得体のしれない寒気を感じて身体がブルリと震えた。

「怖い。もう歌舞伎町に行けない」
「行く時はオレも付いて行ってあげる」

オレが布団を被って怖がると、奴は布団の上からオレを抱き締めてくれた。
だが、「そういえば子供の頃にこんな話を聞いたよ」と怪談を始めた。母国の麦畑に現れる、白い影の幽霊の話を。

結論。
やっぱり奴はサディストだ。楽しそうにオレを虐める。

「暫く一人じゃ眠れないぞ」
「それは困ったね。今夜と明日はオレの帰りが遅いし」
「猫様かムーミンを抱き締めて待ってる」
「それじゃダメだよ」
「ダメ?」
「オレの事を考えながら一人で……ね? そうすれば時間なんてあっと言う間に過ぎるから。亡霊が来ても怖くないよ」

そう囁きながら奴は、今夜オレはどんな風に過ごせば良いのかを教えてくれた。
ブランケットの中でオレの手を取って、その手をオレ自身に触れさせて……。

奴に優しいキスをされながらオレは頷いた。
何となくその状況は、ずっと昔に観たエロティックなホラー映画を思い出させた。
バケモノ屋敷に棲む妖魔の物語で、とんでもないB級映画だったが、子供の頃に胸をときめかさせた独特のエロティシズムな美しさは今もなお忘れられない。

亡霊は目に見えないから怖い。自分が存在しない世界のものだから怖い。
ならば自ら飛び込んでみれば怖くなくなるのかもしれない。
この夏、奴とバケモノ屋敷ごっこをしながらエロティックな性愛に耽溺しようと思う。

という訳で、
本当は実家でのフェチ話を書こうと思ったが、この暑さはオレの性欲までも枯らせてくれたようで、まったく書く気になれない(汗)

一時のあの盛りに盛った発情期は露のように消えてしまったぜ。
そういえば猛暑になってから野良猫の鳴き声も聞こえなくなった。さすがの猫ちゃんも炎天下や熱帯夜の中でまで発情は出来ないようだ。

この時間になっても暑いな。
帰宅したら冷房を利かせた部屋で奴の言い付けを守ろう。
青いライトを灯した寝室で服を全て脱いで。

皆さんも楽しい夜を。
今夜もビールやかき氷が美味いだろうな。

お化けは出ないから安心して奴が帰ってくるまでにちゃんと宿題をやっておくんだよ! と思われる方はクリックをお願い致します。 亡霊が出たら荒縄で縛ってやります。逆に縛られてしまうそうなヘタレですが(笑)
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