感じていたい
Thu.14.03.2013 Posted in SM・フェチ
フェチイベントを途中で抜け出した夜、オレは少し脱力した心地で床に座ってワインを飲んでいた。

奴はオレのすぐに後にあるソファに座っていた。
まだドレスを着てピンヒールを履いたまま、たまに足でオレの背中を軽く踏み付けたりしていた。

静かな声で話していた。
過去の出来事を語ったり、明日の予定を語ったり。

その内、奴がオレの肩に腕を回して囁いた。
『お前を抱いて良い?』と。

オレは頷いた。『抱いてくれ』と言って。
こんな夜にはそうして欲しかった。遠い過去を思い出して物悲しい気分になっていた訳ではなかったが、こんなにもボンヤリとしてしまう夜には、言葉を交わすよりも肉体を交えさせたかった。

奴はモルフォ蝶のようなカクテルドレスを着たままオレに覆い被さった。
そして、太いアイラインと付けマツゲに縁取られた青い瞳を輝かせながら、オレの唇から男根へとキスをしていった。唇で触れるだけではなく情熱的に舌を蠢かせて。

オレは感じてゆきながら奴の顔を眺めていた。現実的ではないその厚化粧や綺羅びやかな衣装に、切ないぐらいの愛しさを感じながら。

そんなオレと目が合えば、奴も吊り上がった目でオレを見詰め返してオレの男根に歯を立てた。甘咬みより強く、思わず声が上がってしまうぐらい痛く。

針を突き立てられたような痛みだった。
だがオレは奴の髪を撫でた。尖った牙を持つ猫を必死に自分に懐かせようとするように。もっと噛み付いてくれないかと懇願するように。

「濡れてるよ。オレの舌にお前の垂らした液ががたっぷり付いた」
「感じるんだ。凄く良くて」
「玩具。ふふ、オレの玩具」

オレ達は異様な興奮に包まれていった。
奴は厚塗りしていた口紅を滅茶苦茶にしながらオレの体中に噛み付いた。オレが身を捩って喘げば喘ぐほど欲望をヒートさせ、オレの両腕をショルダーバッグの紐できつく縛り、オレの下腹部に口紅でslave(奴隷)と殴り書いた。

発狂したようだった。
最高だった。

オレはもうこれ以上は堪えきれなくなって、縛られたまま身体を起こして奴に覆い被さった。
奴はニヤリと口元を歪ませた。額にも鼻にも頬にも乱れた口紅の色が付いていたが、それすらも理性を失わせる魔力を秘めているかのようだった。

「早くするんだ。もう待てないよ」

奴は喘ぎ混じりの声でそう言ってオレの男根にコンドームを被せた。そしてジェルを垂らし、強かに尖った付け爪を食い込ませて上下に扱いた。

オレは激痛に高く声を上げた。
けれど燃え上がるような興奮に襲われ、ほとんど条件反射のように、モルフォのドレスに隠されていた奴の足の合間に腰を割り込ませた。

足はラインストーンの入った黒いガーター・ストッキングに包まれていた。
それとお揃いで揃えたようなレースのショーツは乱暴に剥ぎ取った。

オレは奴に包まれる為に奴の中に挿入した。
奴の身体の中で最も深く熱くオレを抱いてくれるその中へ。

行為の後は、そのまま眠ってしまった。
そのお陰で翌朝は、奴の顔もベッドも酷い有様だった。

「顔が干からびたみたいにゴワゴワする」
「目がパンダだ。早く洗顔してローションを塗った方が良いぞ」

奴をシャワーへ見送って、オレは口紅が付着しまくったシーツの上に腰を下ろした。

ぐちゃぐちゃだった。
だが、楽しくて心満たされる光景だった。

オレは自然と笑っていた。
シーツに付いた口紅は洗濯で落ちるものなのかと悩みながら。

激しいセックスほどオレを慰めてくれるものはない。
苦痛に嬲られるぐらいがちょうど良い。皮膚を通り越して魂までも愛されているようで安らぐ。

恋をしたらそのぐらい好きな人の事を感じていたくなる。
いや、本当はもっと、今よりももっと酷い苦痛を与えられたいのかもしれない。

マゾヒストは本当に貪欲な生き物だ。欲しがってばかりでな。

==========

おやすみ。
今夜も誰もが幸せな夢を見られますように。

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