一口だけの大きな幸せ
Fri.28.09.2012 Posted in 恋愛
「実は、大切な話があるんだ」
「なに?」
「店に入ってから話す。見て欲しいものもあるしな」
「判った」

オレはそんな事を言ってから奴をカツ屋へ案内した。
悪趣味だったか?(笑) 奴はちょっと緊張した顔付きなって、「どんな話しだろう?」と気にしていた。

店に到着してオレ達はカツカレーを頼んだ。
奴はカツカレーの事よりもオレの話が気になっていたようで、すぐに「さっきの話って?」と切り出した。

オレはiPhoneを取り出した。
そして昼間このブログでお披露目したあの画像を表示させて、「これなんだ」と言って、それを奴に向けた。

はじめ、奴は眉間にシワを寄せていた。
だがみるみるうちに表情を緩ませて、満面の笑顔になって、「ああ、神さま!」と言った。

「ようやく当てたぞ」
「凄い、会社で?」

奴はオレのiPhoneを取って、間近で『おめでとうございます!』の画面を眺めた。

「ああ、ノートを起動させてすぐに応募したら、いきなりこれが出た。驚いたぜ」
「驚いたのはオレもだ。もう、さっきは何があったのかと思ったよ。意地悪だな」
「ごめん、驚かせたかった」
「思いっ切り驚いた。嬉しい、当ててくれてありがとう、嬉しいよ」

奴はオレのiPhoneを胸に抱きしめてニコニコと笑った。
オレは至福の心地だった。奴があんなに嬉しそうな顔をしてくれて、当選できて本当に良かったと思った。

カツカレーを食べている間は、ずっとムーミンのお風呂セットの話で盛り上がった。
そのほとんどは『到着が楽しみ』とか『けっきょく何回目に当てた?』という内容だったが、その間に、奴はポツリとこんな事を言った。

「オレが子供の頃に父に買ってもらったお菓子だけど、容器はあんな感じだった。色は白じゃなくて青かったけどね。ムーミンの形をしたボトルで、その中にお菓子が詰まっていたんだ」

奴は相変わらずニコニコしていたが、オレはちょっとジンとしてしまった。

そのお菓子を手に入れる事は出来なかったが、それに良く似たボトルを手に入れることは出来た。
北欧に住む妖精の粋な計らいだったのかもしれない。奴はずっと、その思い出のお菓子を欲しがっていたからな。

思えばオレがこのキャンペーンを知ったのはツイッター上での偶然だった。
通常、仕事中は忙しいので、オレは自分宛ではないフォロワーさんのツイートはほとんど見逃している。だがこのキャンペーンのツイートは何故かしっかりとキャッチした。

北欧の妖精ムーミントロールが、『これを当てたらお菓子の代わりにもなって奴に物凄く喜んでもらえるぞ』と、オレの肩をツンツンと突いてくれたのかもな(笑)

「カツカレーって美味しいね。お代わりしたいぐらいだ」
「またおごってやるぞ」
「今日は良い事ばっかりだ」
「オレも嬉しいぞ」
「乾杯したいぐらい」
「したいな。凄くしたい。オレが禁酒じゃなかったらな」
「うーん。帰りにシャンパンバーに行ってオレが一杯だけ注文するから、お前は一口だけ飲む?」

一口だけか(笑)
だが奴がこういう事で多少でも譲歩してくれるのは非常に珍しかった。

だからオレは喜んで了解した。
奴の飲んだグラスで、今日の歓びに満ちたシャンパンを一口だけ飲ませてもらった。

だが、やっぱり早く丸ごと一杯飲みたいぜ。
一口だけだと余計に飲みたい欲求が増してな。それを埋める為にジンジャーエールを飲んだが物足りなくて、五目焼き蕎麦を注文して食欲に走った。だがそれでも物足りなくて、もう一杯カツカレーを食べたくなった(笑)

週末に美味しいお酒を飲んでいる方は多いだろう。
皆さんの中にも、今夜は楽しく酔っている方も少なくないのだろうな?

どうぞ楽しい金曜日の夜を。
そして明日も楽しい土曜日になるように祈っています。

では、今夜も眠られる時には幸せな夢を。
おやすみ。

<お礼>

たくさんの「当選おめでとう!」のコメントをありがとうございます!
何かの懸賞に応募するなんて何十年振りで、ちょっと照れ臭かったりもしましたが、応募し続けて良かったです。

応援して下さった皆様に、そして当選を一緒に喜んで下さった皆様に、心からの感謝を申し上げます。本当にありがとうございましたm(__)m

また何か良い懸賞があったら参加してみたいです(笑)

楽しいカツカレーデートになって良かったね! お風呂セットが来たらお披露目してね! と思って下さる方はバナーのクリックをお願い致します。最高のデートでした(笑) 早く到着しないかな♪
にほんブログ村 恋愛ブログ 同性愛・ゲイ(ノンアダルト)へ 人気ブログランキングへ

★コメントはこちら携帯版)へどうぞ。

Theme: 男同士の恋愛 « 恋愛

topBack to TOP