パ・ドゥ・シャ cat.2
Thu.26.01.2012 Posted in SM・フェチ
「コンビニ入ってパンツを脱げなんて言わない?」
「脱がせて、そのパンツを頭にかぶれって命令してやる」
「そんなのお前がやってよ!」

レストランで夕御飯を食べてから都内を出て、少し車を走らせたところにあるラブホテルにチェックインした。
セックスをする為ではなかった。奴の支度を整える為だ。
奴に化粧をするのも女性用のドレス(といってもサイズは男性用。下着もパンプスも同様)を着せるのも、もう何度かしていたので慣れたものだった。

ただ、今夜はいつもより派手に仕上げてやろうと意気込んでいた。
ショーパブの衣装を思わせるブルーのオーガンジーの膝丈のドレスを着せ、テラテラとした光沢のある黒いエナメルのパンプスを履かせ、今日の為にゲイ向けのインポートショップで購入した薔薇の刺繍が縫い込まれたガーターベルトとストッキングとショーツを穿いて貰った。

「ステージに立って歌いたくなる」
「歌よりストリップの方が良いな」
「じゃあアソコの毛も剃らないと」
「足を開いた時、毛がはみ出て見えた方がスケベで良い」

そんな冗談に笑いながら化粧を施した(奴は可笑しいと大笑いをするので、笑わせないようにするのが大変だった。下ネタを連発して笑わせたオレが悪いのだが)
丁寧に髭を剃って、コンシーラーで丹念に肌を整えて、今夜の衣装にぴったりと合うブルーを基調としたメイクをした。目元と口元をこってりたっぷりと飾り立てて、チークも濃い目に入れて、最後の仕上げにハニーブロンドのセミロングのウィッグをかぶせた。

出来上がってみれば、ド派手! ケバい!
どこをどう見ても煌びやかなショーパブで働いているドラァグクイーンだった。

オレはゾクゾクした。いつもとはまるで別人の奴に興奮してハイテンションになった。
奴もまたその気になっていた。椅子に座って足を組んで、オレにルイ13世を持って来いと命令して(ラブホにあるわけがない・笑)、シャンソンもどきの即興の歌を歌った。

メタモルフォーゼ(変身・変容)はSMでも度々使われる効果だ。
普段の自分を忘れて心の中に隠し持っている自分を露わにさせようという時に用いられる。
女装もそうだし、妖しいムードのボンテージを着るのもそうだし、フリルとレースたくさんの下着を穿くのもそうだし、全頭マスクをかぶるのもそうだし、着け耳や着け尻尾を着けるのもそうだ。
そんな恰好をすると内面(心の中)も同調して普段の自分ではなくなり、SMやイメージプレイに没入できる。
いつもの自分とは違う自分になる事は開放感があって楽しいものだ。それが密かに願望していた姿であれば尚更、楽しみは深くなってテンションは上昇する。

女装だが、ハッキリ言って愛好者は多い。
それによってストレスを吹き飛ばしている方も多く、『楽しい健康法』として考えている方もいる。

「女装してレズごっこをしてお姉様にクリを虐められるとすぐにイっちゃうの(本当の女性同性愛者の方には叱られるかもしれない発言だが、そのまま書く事をお許し下さい)」と言っている方もオレの知り合いだが、その方、最近では女装している時の意識(人格?)が仕事中にも出てきて困っていると話していた。
メタモルフォーゼには依存性があるらしい。本当は女装をしてみたいと思っている男性は少なくないと思うが(女装というか華やか&可愛い服を着てみたい願望のある男性を含め)、変身頻度は生活を乱さない範囲でお楽しみ下さい(笑)

「物凄くステキだ。惚れ直した」とオレが言うと、
「当たり前じゃない」と奴は言ってツンとした顔付きで笑った。いつもの奴ならバカ笑いをするのにな。凄い変わりそうだった。

オレは奴を褒めちぎって、今日の記念に足で踏み付けてもらった。「ヒールで踏み付けて下さい女王様」などと言って。
しかし奴の足は大きいので、ちょっと力を込めて腹をグリグリされると結構苦しかった。だが、そんな苦しさも『有り』だとマゾヒストのオレは思った。

「お前にまたがれるのって最高だ。その格好のままオレの上に座って腰を振って欲しい」
「今はいたばかりのショーツを脱ぐのはまだ早いでしょう?」
「そうだな、脱がすのは勿体無いな。じゃあ、ドレスの裾をめくって見せて。チラリで良いから」
「ほら」
「チラリ過ぎて何にも見えなかったぞ」

確かに見えなかったが卑猥なムードは満点だった。
ドレスの中で奴のモノを包んでいるショーツを想像すると、今すぐにでもその膨らみにキスをしたくなった。そしてショーツの上からそれを舐めて感じさせて、オレのイチモツの上に座らせて激しく腰を振って欲しくなった。悶えながらきわどい台詞を言って、オレを逆レイプするように。

「またがれて興奮してる?」

奴はオレの下半身の上に足を乗せた。そしてオレの勃起した硬さを面白がるように足を動かした。上下に扱くように。
服を着たままとはいえ足でそんな事をされるのは初めてだった。奴に弄ばれたい願望は強いオレにとって、その行為は物凄くツボだった。
オレはますます興奮して、奴に手を伸ばして黒いストッキングに包まれた足を撫で回した。

「思いっ切り興奮してる。ガチガチだろ?」
「オレも。なんだかいつもより感じる」
「ストッキングの上から撫でられているからか?」
「そうかも。いつもより敏感に感じる」

支度をしたらすぐに出る予定だったが、結局一時間ぐらいホテルの部屋で戯れた。
そのまま夜を明かしても良いかと思ったが、せっかく準備をしたのだから予定通りドライブに出ることにした。
その前に、外に出たらそんな余裕は無くなるだろうから、奴の女王様姿を写真に撮らせてもらった。遊んでいる内に化粧も崩れてしまうだろうから、こってりとメイクした顔のアップも今の内に写真に収めた。

「誰もいない? ドキドキする」
「いない。誰がいても大丈夫だ」

奴の肩を抱いて駐車場に入り、いよいよ車を発進させた。
先日のセックス中の打ち合わせではかなり猥褻な行為をする取り決めとなったが……まあ、どうせ全ては出来ないだろうという軽い気持ちで深夜のドライブデートを開始させた。

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