スポンサーサイト
--.--.--.-- Posted in スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
夢見る埋蔵金
Sat.25.06.2016 Posted in 恋愛
その日、奴は自分の部屋の大掃除をした。以前の仕事で使っていたものを完璧に整理するのだと言って押入れの中を重点的に。

ガタガタバサバサと物音がした。
大変そうだと思って「おーい、手伝うぞ?」と声を掛けたが、よほど作業に熱中しているのか返事は返ってこなかった(汗)

そういえば奴はそういう性格だった。
熱中すると頭がシェルターで囲われたようになって他のことにまったく反応しなくなる。時にそれは強固な石頭となってオレを悩ませるが、いつも(愛猫精神に忠実な)オレが先に折れることにしているので全く問題はない。

4時間ぐらいして奴は部屋から出てきた。ニコニコしながら。

「終わったのか?」
「まだ」
「まだなのか。機嫌が良さそうだからスッキリサッパリしたのかと思ったぜ」
「ふふふ。良い物が出てきたんだ」
「良い物?」
「これだよ。覚えている?」

奴は背後に隠していた右手を前に出して『それ』をオレに差し出した。
『それ』は奴が洒落たガラス瓶に猫のイラストを描いて作った、すっかりと忘れ去っていた貯金箱だった。

「懐かしいな! ずっと忘れていたが、貴方は貯金を続けていたのか?」
「ううん、全然。何度か前の大掃除の時に、後でちゃんと飾るつもりで押入れの中に入れてそのまま忘れていた」
「500円と1000円だけを入れていたんだよな? でも途中でオレが大きな貯金箱を買ってきたから……」
「そうだよ! それもあってこっちの貯金箱を忘れてしまったんだ」

海に流れ着いた手紙入りのガラス瓶でも発見したかのようだった。
いくら入っているかな? とオレ達は興味津々で瓶の蓋を取った。そしてクッションの上にコインと紙幣を並べて数えてみたら……。

「さすが500円&1000円貯金だな。そんなに長く貯めていなかったのにちょっと良い金額だ」
「そうだね。もっと少ないかと思った。で、これ、どうする?」
「貴方の貯金箱だから貴方が使うと良いぞ。この間買った服に合う帽子や靴が欲しいって言っていたしな。思わぬボーナスが入って良かったじゃないか」
「半分はお前が入れたから半分ずつ使おうよ。それとも新しい貯金箱に全部入れちゃう?」

発掘した埋蔵金の使い道を巡ってオレ達は話し合った。
大掃除で奴の額に汗が浮かんでいたので、オレは良く冷えた炭酸水を持って来たりして。ついでにレモン汁を絞って入れたりして。

結局、決まらなかった。
7月と8月にはたくさんのイベントを予定しているので、その時のご飯代にしようという意見も出たが、そんな普通の使い方をするのも勿体無くてオレがストップを掛けた。埋蔵金を掘り当てた! と2人で舞い上がったのだから、それに相応しい使い方をしたいなと。

「難しいね」
「きっと今決めるべき事じゃないんだ。ずっと貯金を守っていた猫さん(瓶に描かれた猫)がまだ使ってはいけないと言っている。だから決まらないんだ」
「そうなの? お前はたまにファンタジックな事を言うよね」
「間違いない。使うタイミングが来たら猫さんが教えてくれるぞ。どう使えば良いのか」
「判った。じゃあ猫が使っても良いよと言うまで待とうか」
「ファンタジックな話を信じたのか?」
「猫を信じるのはオレも同じだから。それに埋蔵金は出来るだけ楽しいことに使いたい」
「良し。この貯金箱は可愛いからまだ手を付けないで飾っておこう」
「ひょっとしてお前、このまま飾っておきたくて何も浮かばないんじゃない?」

そうかもしれない、とオレは思った。
奴の描いた猫はキュートで、その中にお金がたくさん入っていると『猫に小判』といった豊かなイメージが浮かぶのに、そのお金を取り上げては可哀想に思えたのかもしれない(本来、猫に小判とは豊という意味ではないが、猫が小判を咥えていたらモフモフの幸運を招いてくれそうじゃないか)

「何か良い使い方を見付けられたら良いね」
「楽しい事に使うなら何でも良いのかもしれないけどな」
「そうだね……」

奴が大掃除を再開させても(オレはその手伝いをしながらも)、埋蔵金の話題が続いた。

その内に奴は言った。「明日ちょっとだけ使っても良い?」と。
オレは了解した。一体奴がどんな使い方をしてくれるのか、楽しみに思いながら。

そして今日、オレは午前中の仕を終えて帰宅してみると……。奴は大きなスイカを抱えてオレを出迎えてくれた。「今年初めて買ったスイカだよ。あのお金で買ったんだ」と言って。

これはやられたとオレは思った。
今夏初のスイカを買ってサプライズにしてくれるなんて、特別に楽しい気分になるに決まっているじゃないかと。

「アメージング! 嬉しいぜ!」とオレは言ってスイカごと奴を抱きしめた。
奴は笑って「良かった」と言って、オレの頬に二回キスをした。

「大きなスイカだな。持って帰るの大変だったろ?」
「あはは、ちょっとね。お前もオレもスイカが好きだからすぐになくなるよ」
「そうだな。それにスイカって大きい方が美味しそうに見える」
「大きい方が楽しそうにも見えるよね」
「同感だ。今年もスイカ割りをしような」
「うん、必ずしよう」

スイカは良く冷えていてとても甘かった。
埋蔵金で買った事を思えばますます特別に美味しく感じた。

オレも埋蔵金を少しだけ貰って奴にお礼がしたくなった。
しかしどんなサプライズをすれば良いだろうな? 奴のように気の利いたことが浮かばないのでさっきからずっと考え込んでいる(笑)

==========

という訳で、
夏至を迎えてすっかり夏だぜ。

蒸し暑い日にはカキ氷が美味しそうで、食べたいと思いつつも今年はまだ一度も食べていない。

そうだ、今夏初のカキ氷を奴に……と思ったが、スイカと似たような感じだしな。もうちょっとひねりが欲しい(汗)

カキ氷は埋蔵金ではないお金で食べよう。
もっと早く食べたかったが、どうにも世間が騒がしくて、そんな時間を取るのもままならなかった。

みなさんはバテずに元気に過ごされているか?
明日の日曜日も良い日になるように応援しています。

では今宵も楽しい夢を。
おやすみ。

■急な仕事が相次いでお返事が遅くなって申し訳ありません(泣) 皆さんからのコメント、本当に心から楽しみにしております!

☆良かったよと思って下さる方はバナーのクリックをお願い致します。
にほんブログ村 セクマイ・嗜好ブログ 同性愛・ゲイ(ノンアダルト)へ 同性恋愛  国際恋愛

コメントはこちら携帯版)へどうぞ。大変に申し訳ありませんが只今コメント返信はお休みさせて頂いております。

Theme: 男同士の恋愛 « 恋愛

topBack to TOP

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。