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モノ言わぬバラの戒め
Mon.29.02.2016 Posted in 恋愛
予定以上に時間をオーバーして仕事が終った。
ほとんどの飲食店が既にシャッターを降ろしていた帰り道、閉店の後片付けをしている花屋を見付けた。

そのまま帰りたくなかったのだと思う。
オレは車から降りて花屋の店員に声を掛けた。「まだ買える?」
店員は答えた。「お安くします」

残念ながらオレの好きな花はもうなかった。
だがこの季節には珍しいバラを買えた。
小振りの蕾を幾つか残した、くすんだ紫をした淡い色のバラだ。

オレはそれを有りったけ買って深いパープルとベージュの2枚の紙に包んでもらった。
奴に渡す為だった。久しぶりのプレゼントとして、それから謝罪として。

帰宅して花束を差し出せば、奴は喜んで手を伸ばした。

「綺麗な色だ」
「気に入ってくれたか?」
「とっても」
「良い匂いだぞ」

オレは花束を奴の顔に寄せた。
花束はまだ奴には渡していなかった。オレが持ったままだった。

奴がバラの中心に顔を寄せた時、オレは両手で思い切り花束を握りしめた。バラのトゲが手に刺さらないように包まれた部分ではなく、そのもっと上を。

両の手の平に痛みが突き刺さった。
だがそれだけでは足らずに、オレは右手をそこから離し、奴の手を掴んでオレの左手の上に添えさせた。そして右手で奴の手を押さえ付けるように力を込めた。

なかなかの痛みだった。
まるで奴に戒められているようだった。
優雅に戯れながら喉が震えるような痛みをオレに与えているようだった。

「良い香り。どこに飾ろう?」
「貴方の好きなところで良いぞ」
「そう?」
「貴方に贈ったもので、貴方のものだから」

油断をすれば顔が歪んで声が漏れそうだった。
しかし何事もない表情を保っているのは心地が良かった。

それもまた奴に命令されているみたいだったからだ。
以前、奴はこうオレに言った。「オレが与える苦痛は苦痛じゃないと言うなら、声を乱すな、顔を歪めるな」

──確かあの時もオレは心の中で悔い改めていた。
この欲にまみれた卑しいオレをもっと酷く罰してくれと。あの時は確か、仕事上で交流を持った相手に少なからず惹かれた時だった。

そして今回も。
その可能性のある男と二人きりになってキスを許した事を悔い改めていた。まんざらでもなかった自分が、正気を取り戻した途端に汚らわしくて罪悪感の虜になって。

バラのトゲで睾丸と亀頭を思い切り貫いて力任せに引き裂いたら、たらもうあんな肉欲を覚えなくて済むだろうか?

オレはバラの茎を握る手にいっそう力を込めた。
深く指に刺さってあの大嫌いな血が溢れ出れば良いと思った。
いっそ貴方に気付かれて、罵られながらバラで滅茶苦茶にぶたれれば良いと思った。

そうすればオレの後ろめたい気持ちは消えるのだろうから。
それに、本当はオレにはまだ抑えきれない肉欲があることも奴に知られてしまった方が良いのかもしれないのだから。

怖くて、本当はそうは思っていないが。
今の状況を終わらせたくて刹那的にそう思うことはあっても。

奴は嬉しそうにバラの花束をリビングに飾った。
貴方は気付いていない。オレがそのバラに贖罪を願い、そのバラのトゲにはオレの血が僅かながらも付いていることを。

オレはこれからバラを見る度にこんな気持ちに駆られるのかもしれない。
何も言わないバラはオレを咎めたりはしないが、花弁の中にはオレの心の全てが口を広げているように思えて怖い。

他者に肉欲を感じても言わなければバレない?
確かにそうだ。

これからも肉欲なんてもう忘れたという顔をしていれば奴と平和な関係が続けられる?
とても円満に過ごせている今の状況から察すれば、確かにそうなのかもしれない。だがオレは本当にそれで良いと思っているのか? 本当は肉欲をむき出しにして抱きたくて抱きたくて仕方がないのだろう?

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