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夏の終わりの向日葵
Sun.30.08.2015 Posted in 恋愛
「ただいま」と言って花束を差し出す。
奴が帰ってきてから何度目のことか。

「なんていう花?」
「判らない」
「花屋の今日のオススメ?」
「いや、オレが選んだ」
「それなのに名前を知らないんだ?」
「見た目だけで選んだからな」

以前のオレなら花の名前をしっかりと店員に尋ねていた。花を包んでもらう時に、名前と一緒に特徴なども聞きながら。

だがそうしなくなったのは花そのものへの興味を失ったからだ。少なくても今は以前ほどには。その花の名前を知る以上にその花に、とある願望を込めるようになったから。

茎を切り落とす店員の指先を眺めながらオレは妄想した。
あれが奴の手であって、不意にこちらを向いて、いきなり花束でオレをぶったら……。

『驚いた?』
『ああ』
『感じたんだね?』
『ああ』
『お前は面白いよ。一瞬でそんな風に表情が変わるんだから』

かつては実際にそんな事が何度かあった。
しかし今は妄想での出来事にしかならない。

過去を取り戻す事は無理なのだから前進しようとオレは決めた。
だが少しだけ立ち止まって溜息を漏らしたくなった。

帰宅して奴に花束を渡した。
奴はそれを両手で受け取り、「この頃よく買ってくるね」と言った。

心の中を覗かれたように感じた。オレがかつてのように花でぶって欲しいと願っているのを悟られたかと。あるいは悟られてしまっていたのかもしれないが……。

否定であれ肯定であれ、本心を混じらせた言葉を言ってはいけないように思えた。
だからただ花束の中から一本を引き抜いて、「向日葵が売れ残っている花屋が目立つから、つい足が向いてな」と答えた。

「売れ残っているの? もう暑くなくなったせいかな?」
「だろうな」
「まだ8月なのに秋になったね」
「海に行けなかったな」

引き抜いたのは向日葵だった。
直径10センチぐらいの小さな太陽を思わせる花だった。

オレはそれを軽く振り回してから奴に手渡した。
奴はニコリと笑って花瓶を取りに行った。

奴は一時よりは笑うようになった。
オレと長く二人きりでいても遠慮したりしないようになった。
良かった、とオレは思った。

着替える為に自分の部屋に入れば、ソファベッドの上には三毛子が香箱を作っていた。
「ただいま」と言って頭を撫でれば、三毛子は無邪気にひっくり返って両手でオレの手に絡みついて来た。

可愛くてキスをした。
額と頬と腹に、奴にする分も含めて、それぞれ2回ずつ。

==========

ところで、三毛子の呼び方が微妙に変わってきている。

オレは三毛子と呼んでいて、奴はミケルと呼んでいたが、オレはたまにミケル子と呼ぶようになった。呼び名が増えてしまって申し訳ない三毛子。

それにしても、実際のところは今も奴と楽しく暮らしている訳で、一緒に食事をしたりホテルに宿泊した時などの写真がたくさんある。

今回はちょっと暗めのエントリーになったので次回は楽しいのにしよう。インスタグラムには乗せないつもりでいる面白い写真もあるしな(笑)

今後もローペース更新となるが、たまに此処を覗きに来て貰えたら嬉しい。
オレも更新の度にツイッターでお知らせをすれば良いのだろうが、どうもいまだに照れくさい。

更新のない日々にも応援のクリックや拍手を送って下さっている方々に深く感謝を申し上げます。

また近い内にお会いしましょう。
この季節の変わり目に体調を崩されたりしないように、また毎日が幸運であるように、心から祈らせて頂きます。

では今宵も楽しい夢を。
おやすみ。

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