同棲して得たこと、失くしたこと
Wed.28.01.2015 Posted in 恋愛
それほど疲れを感じていた訳ではなかった。
だが奴が紅茶を淹れてくれている間にクッションに顔を伏せて眠っていた。ほんの少しだけ目を瞑るつもりだったのに、知らぬ内に意識が途切れていた。

「やっぱり予定を変えない?」
「変えない」
「来月でも良いんだよ?」
「今月中に行く」
「仕事を持ち帰って深夜までやっているじゃない」
「それだけ行きたいからやっているんだ。だから来月にしようだなんて言うなよ」

オレは隣に座った奴を抱き締めて猫のように肩に額を擦り付けた。
奴は呆れたように「もう、無理ばっかりして」と言いながらも了解してくれた。

たまに自分でも思う。
たかが遊びに行く為になんでこんなにスケジュールを詰め込んで無理をしないといけないのかと。
しかし、だからといって計画を中止しようかと思ってみても、それは出来なくて結局は頑張ってしまう。

こんな事はもう何度やっただろう?
こんな事は以前は絶対にやらなかった。オレは自分の時間を大切にしたかったから、誰かとの遊びの為に時間の余裕を削るなど絶対にしなかった。

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正直に言えば、奴と暮らすようになって間もない頃は、帰宅すれば奴の為(奴に気を使う為)に時間を割いてばかりで、一人でいられる時間がなくなって息苦しさを感じた。

それまでずっと一人で暮らしていたのだから仕方がなかったのかもしれないが、ひょっとして燃え上がる恋心に任せて同棲を決めたのは大失敗だったのではないかと不安になった。
まだちゃんと奴を愛しているのに、それでも奴を邪魔だと思ってイライラするなんて、これが原因で最悪の別れ方をしたら同棲を決意したオレは大馬鹿者だと思った。

奴は世話好きで懐こい性格なので遠慮なしにオレに絡んできた。
はじめは良かった。初々しい新婚さん気分で、オレは奴に声を掛けられる度に笑顔を向けて、奴に身体を寄せられる度にセックスをした。

しかし、その濃密な盛りが過ぎれば苛立ちを覚えるようになった。
その頃のオレは幼稚だった。
赤の他人である人間と人間が一緒に暮らすのは安易ではなく、大人としての理解や態度を要するのだという事を知らなかった。愛さえあれば円満に行くのだと思っていて。過去に一人の女性と同棲していた奴は既にそれを知っていて、苦労するのを承知でオレと暮らす事を選んでくれたのに。初めての同性との恋愛で不安も大きかっただろうに。

当時、オレはその悩みを誰かに相談しようと思った。
だがオレが奴に対してこんな気持ちを抱えている事を誰にも話したくなくて自分の胸の中に留めておく事にした。

もっともオレの苛立ちは、当然だが奴には伝わっていた。
奴はオレにストレートに訊いてきた。「最近、機嫌が悪い? 何かあるなら話して欲しい」と。

オレは答えられなかった。
自分で同棲を決めたくせに今更……というよりも、そんな事を言っては奴に申し訳なくて、それで奴を傷付けてオレ達の関係が終わりになってしまいそうで絶対に言えなかった。

だからオレは覚悟を決めた。
奴と別れたくないなら2人で暮らす事に慣れてやろうと腹を括った。
仕事以外の人間関係で大人になろうと決意したのは人生で初めてだった(笑) いや、笑い事じゃないな。恥ずかしい話だが、それまでのオレの交友は自分勝手なものばかりだった。

奴が素直で率直な性格だったのが幸運した。
奴はオレにも素直であるように求め、無言で怒るのだけは止めるようにと約束させた。無言で居られるのが一番困るから、そうされるぐらいなら怒鳴ってくれても良いから、と言って。

それから、たとえ理不尽な事で怒っていても、どうしようもないヤキモチで怒っていても、恥ずかしいぐらい幼稚な理由で怒っていても、全て許すから素直に言って欲しいと言った。

そう言って貰わないと素直に本当の事が言えなオレは、まったく子供みたいで恥ずかしい限りだが、それからちゃんと言えるようになった。言うように努力して。

ついでに、好きなればなるほど孤独に取り憑かれて離れたくなる最大の悪癖を奴に告白して、オレの言う『もう別れよう』の言葉は決して本気ではなくて本当は『もっと愛して欲しい』の意味だという事を理解して貰った。

その言葉で何度も奴を傷付けてしまった事をオレは心から詫びた。
そうしてみれば奴への気持ちが爆発したように溢れだして涙を流さずにはいられなくなった。奴まで大泣きして、2人で頭が痛くなるまで泣いた。

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「アナ雪のパレードが見られるって貴方は喜んでいたからな。中止には出来ない」

オレがそう言うと、奴はオレの顔を上げさせて「オレの為に?」と言った。
オレは頷きながら「オレも楽しみなんだ」と答えた。正しくは(第三者的な表現になるが)、アナ雪のパレードを楽しみにしている奴とオレがデートするのが楽しみ、なのだが。

だが奴は、今のオレは過去のオレとは違って、奴と一緒に遊ぶのが何よりもの楽しみである事をちゃんと判ってくれている。だからそんな細かな事は言わないでおいた。

本当に今は、過去の苛立ちが嘘だったかのように奴と一緒にいるのが楽しくて、そして安堵するようになった。
奴とでなければ、オレがこんな変化を迎えるのは無理だったかもしれない。誰かと恋人よりも一歩進んだ絆を結ぶ事は。

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そんな訳で、
今夜も遅くまで自宅で仕事をしたが、無事に全てが終わったのでアナ雪パレードを観に行けるぜ!

明日はまた、ディズニーランドより実況ツイートをさせていただきます。
明日は仕事の都合で日帰りなので余り出来ないかもしれませんが、お時間に余裕のある方はお付き合い下さい。

さて、すぐに寝よう。
寝坊したら奴に蹴り起こされる。

皆さんも良い夢を見ているか?
明日は冷え込むようだから、しっかりとあたたかくして外出して下さい。

皆さんの明日の幸運を祈っています。
おやすみ。

■追記。今回こんなにも過去の事を思い出したのは、Twitterで同棲する事に関するツイートをされた方がいたお陰です。懐かしい事を思い出し、当時の気持ちを蘇られてくれた事に感謝致します。

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