夏を見送る花火
Sun.24.08.2014 Posted in 恋愛
白バラコーヒーを飲みながら、ごきげんよう。

先日の事、奴はいきなり「あー!!!」と声を上げた。

ついに我が家にもゴキ○リが出現したかと、オレは急いでキッチンに駆け付けた(今年は例年に無く多く出現するという話を数人から聞いたが、皆さんもそう思うか?)
しかり奴は、床にしゃがみ込んでムーミンのトートバッグを抱えていた。猫様と向かい合って。

「どうした?」とオレが声を掛けると、
「猫が猫にかじられていたに」と奴は言った。

どういうことかと言えば……。

先々週、奴はオレに付き合って実家に来てくれた。
その時、実家の最寄り駅の前でハンドメイドのストラップが売られていたのだが、中に黒猫のストラップもあったので、オレは奴にそれを買ってやった。

で、奴はそれをムーミンのトートバッグに付けた。
それは近所で買い物をする時に良く使うトートなのだが、今日も買ったものをそれに入れてキッチンに置いていたら(いつもは放置したりせずにすぐに片付けるのだが)、猫様が黒猫をストラップを見付けてジャレ付いてガジガジにかじってボロボロにしてしまった……という別けだ。

「こんな所にほったらかしにしていたオレが悪いんだけどね」
「見事にやられたな。毛糸が出てお化けみたいになってる」
「黒猫のお化け……」

奴は両手で黒猫(だったもの)を持ってじっと見詰めた。
その表情は哀愁に満ちていた(汗)
しかし猫とはマスコットに飛び付く習性を持っているものであり、猫の飼い主たるものはそれを承知でいなくてはならなかった。……それでも可哀想なものは可哀想なんだがな。

「猫様って普段はあんまりそういうので遊ばないのにな」
「ライバルだと思ったんだよ、きっと」
「ああ……。そんな小さくても同じ種族だって判るのか……」
「だってオス猫だもん」

奴の認識では、オス猫とは非常に嫉妬深い生き物らしい。オレも同感だが。

そういや奴も嫉妬深い。
しかし今のオレには嫉妬する要素などまったくないのに、それでもしょっちゅう嫉妬するから凄い。

むしろ嫉妬心を煽っているのは奴の方なのに。
奴は今年も新人さんにモテモテだ。オレもオス猫になって奴の回りに寄って来る女性達にフー!! だぜ。

==========

ところで今日の土曜日、オレは仕事だった。
奴は休日だったので「夜ご飯を作っておくね」と言ってくれた。

オレはそれを励みに面倒臭い仕事を頑張った。
お客さんのところに行ったら、「夏休みに福島に行ってきたんですよ」という事でお茶うけにエキソンパイを出して頂いたので、それをこっそりと持ち帰って奴の土産にした。

そして18時頃に帰宅すると、奴は「おかえり!」とハイテンションで迎えてくれた。

「何か良いことがあったのか?」
「あったよ」
「ほー、どんな?」
「冷蔵庫を覗いてみて」

奴はオレの身体をクリルと回転させてキッチンへ向かわせた。
オレはピンと来た。きっと、ついに、完璧に美味しいデザートを作れたのだな!? と。

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(祝)奴君が作ってくれてミスが一箇所もないデザートのチョコレートケーキ!

拍手。
宜しければ皆さんも奴にあたたかな拍手をお贈り下さい(笑)

「凄い! 完璧じゃないか!」
「今度は生焼けじゃないんだよ。お前に食べさせる前にどうしても味見がしたくて一切れ食べたけど美味しかったんだ!」

奴の笑顔はいつもの100倍ぐらい輝いていた。
何度も失敗してようやく完璧に作れたデザートだったので。奴は物凄く嬉しかったのだろうな。ああ、かわゆいぜ。

今夜のご飯はピリッとスパイスを効かせたローストチキンだった。それもとても美味しかったが、それに添えられた蒸しポテトとサラダも美味しかった。

「今夜は凄いご馳走だな。大変だったろ?」とオレが言うと、
「今日も頑張ってるお前の事を考えていたら美味しいものを作りたくなったんだ」なんて嬉しい事を言ってくれた。

たまに、奴には言えない事だが、奴が家の中の事をしてくれたらと思う時がある。
もっとも奴も夢を持って仕事をしているのだから本気でそれを勧めたりはしない。だがたまに、深夜とか休日に仕事をして帰って来た時に、奴があたたかな料理で迎えてくれると、そんな甘い思いに取り憑かれる。

と、そんな話は横に置いて、夕飯を食べ終わった後、さっそく奴の手作りケーキを頂いた。

「バナナの風味だ。バナナが隠し味なのか!」
「うん。美味しい?」
「美味しいぞ。中がしっとりしていて、こんなに美味しいチョコレートケーキを食べるのhが初めてだ」
「大袈裟だな。あ、ちょっと待って。お前用に生クリームがあるんだ。それを付けて食べて」

生クリームを添えたチョコレートケーキはますます味わい深くなった。
奴がオレの為に甲斐甲斐しく料理やデザートを作ってくれたのが嬉しくて、オレはその気持を伝えたいが為に唐突に奴にキスをした。

しかし、
オレがちゅっとした途端に奴はパッと顔を逸らした。
『何で?』とオレと思うと、奴は「あ」と言ってオレの首筋に顔を伏せた。

「ごめん、風邪をひいたのかもしれないんだ」
「エアコンに当たりすぎたか?」
「どうなんだろう……。実は一昨日から目眩と頭痛がする。軽いんだけど、頭がぼんやりして、だるくて……」

奴のその言葉にオレはハッとした。
その症状はもしや風邪ではなく(軽度の)熱中症ではないか? と。喉や鼻はまったく無症状で、目眩や重頭感があるのが怪しく思えた。奴がそんな症状の風邪を引いた事は一度もなかったから。

一昨日といえば鎌倉の翌日だしな。
暑さに弱い奴が長い時間汗を流し続けていたのをオレは心配していたが、スポーツドリンクではなくちゃんと経口補水液(OS-1)を飲ませれば良かった。

「すまない、すぐに薬局に行ってくる」
「薬局?」
「OS-1を買ってくる。そして明日は病院に行こう」
「大丈夫大丈夫、本当にちょっとだけクラッとするだけだから。あとは元気なんだよ」
「それでも、とにかく待っていてくれ」
「一人になるのは嫌だからオレも一緒に行く」
「安静にしてないと!」
「ケーキも焼けたんだから大丈夫!」

こんな時にも発動する奴のスーパー頑固は揺るぎなかった。

結局、2人で近所の薬局に行った。
予備の分も混ぜて、OS-1のゼリータイプを4個、ドリンクタイプを4本買った。

その帰りにスーパーに寄って麦茶を買った。
もう夏の終わりも間近で今更かもしれないが、今年はまだ冷たい麦茶を自宅で作っていなかった事を思い出して。
それから花火も買った。
今年はまだ2人だけの花火大会をしていなかったから。

「今年の夏はお互いに忙しかったね」
「夏の恒例の麦茶と花火を忘れるなんてな」
「そうだね……。こんな風に、今までしていた事を自然としなくなってしまうのは寂しいね」

麦茶を買う時に「花火も」と言ったのは奴だった。
もしかすると奴は思っていたのかもしれない。「今年はいつやるの?」と。
だとしたら忘れていたのはオレだけだ。奴はオレに気を使って言えなかったのかもしれない。

忙しかったからという言い訳は、おそらく通用するだろう。
だがそれで許して貰えたら満足か? と問われたら否定するしかない。奴に寂しい思いをさせてしまったら、オレの気持ちは重くなって胸が痛くなってしまうから。

「必ず花火をしよう。来年も」とオレは言った。
「また花火の後にスイカを食べようか」と奴は言った。

一番美味しいスイカを買おうとオレは思った。
今年の夏は大した盛り上がりもないままそろそろ終わってしまうが、もう4年も続けてきた2人の行事は今年も楽しく盛り上げたい。

今年もたくさんの花火を買おう。
綺麗なのも、派手なのも、蛇花火も(笑)、そして静かなのも。
それらを終えた時に、今年も2人で夏を過ごせたという実感を感じられたらとても嬉しい。

==========

買い物から帰宅して、さっそく奴にゼリータイプを飲ませたが、明日には少しでも回復していたら良いな。

奴は「もう大丈夫!」なんて言っていたが、いつもオレに心配を掛けまいとする奴の言葉はあてにならない。奴は平気で無理をするからな。今回も2日間も具合の悪いのを黙っていた(汗) 元気になったらお尻ペンペンだ。

症状が少しでも残っていたら病院に連れて行く。点滴を打ってもらえば楽になるから。と、その前に、本当に熱中症かどうかの検査をしてもらわなくてはならん。

2014_08_22_1.jpg

という訳で、
今週は物凄く暑い日が続いたが、皆さんも大丈夫だったか?

オレの会社には明らかに夏バテの人が数人いて朝から晩までずっとボーっとしていた。
いつもならそんな態度でいたら厳しい上司に注意されるのだが、今年は仕方がないと大目に見られていた。

幸いな事に、(雨は多くなるが)来週は気温が下がるようだ。
暑さに疲れた皆さんの体調が落ち着きますように。
8月の最後の一週間を楽しく過ごせるように祈っています。

では、今夜も心安らかに幸せな夢を。
おやすみ。

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