弁当のお礼にエスプレッソをどうぞ
Wed.04.12.2013 Posted in 恋愛
オレは6年前に禁煙した。
それから一度も煙草を口にした事はないが、実は今も忙しく書類に向かっていると口にしたくなる時がある。

煙草の臭いは苦手になった筈だが、可笑しなものだ。
今日も打ち合わせ相手の身体に染み付く煙草の臭いが甘く感じた。「君は吸っているのか? 一本くれないか?」と、つい言ってしまいそうになった。今夜は泊まり込みだから、煙草を吸った臭いが付いても奴に気付かれずに済むから。

まあ、今後もずっと吸わないだろうがな。
一本でも吸えば6年間の積み重ねが無駄になる。
それに長時間の書類作業にストレスを感じても、それを発散してくれるものがちゃんとある。口寂しくなってもそれを満たしてくれるものがあるから大丈夫だ。

『来たよ。降りて来て』
『ありがとう! すぐに行く!』

奴とそんなメッセのやりとりをしたのは1時間ほど前。
奴はオレの為に弁当を作って持って来てくれた。一旦自宅に帰って弁当を作って、また会社に来てオレに渡してくれた(正確には会社の近くにある公園で落ち合った)

『週4回自炊をする』という目的の為だったが、それを達成する為にわざわざそんな事をするのはとても面白そうに思えた。

もっともオレは会社で待っているだけだったから気楽に楽しんでいられたが、奴は急いで帰宅して急いで弁当を作って急いで持って来てくれたのだから大変だったに違いない。「ちっとも大変じゃない。楽しいじゃない?」と言ってくれたとしても。

「ありがとうな。これで3回目達成だ」
「急いだから簡単な中身になっちゃったけどね」
「中は?」
「日の丸」
「本当に?」
「嘘だよ。チキンにチーズと黒胡椒を挟んで焼いたのと、トマトスパゲティと、ボイル野菜」
「豪華だな。楽しみだ」
「美味しく出来たよ。残さずに食べて頑張って」

周囲にデート中のカップルが居なかったら奴を抱きしめて感謝を伝えたかった。
奴はまだスーツ姿だった。きっと着替える間も惜しんで急いで弁当を作ってくれたのだろう。

そのまま手ぶらで奴を帰してしまう気にはなれず、オレは奴にささやかに気持ちを渡した。今夜も冷えるからそれで温かいものを飲んでくれと。
奴は「いいよいいよ」と首を横に振ったが、オレが「じゃあな、気を付けて帰れよ」と手を振ると観念して受け取ってくれた。

それなのに奴め。
素直にエスプレッソでも飲んで帰ったと思っていたのに、こんなメールをオレに寄来しやがった。

『今、家に着いた。あのお金でお前が買いたいって言ってた爪切りとハサミと、あと2ロールでなくなるトイレットペーパーを買っておいた。それからトイレ用のタオルも買っちゃった』

で、自分は温かいエスプレッソの一杯も飲まなかったそうだ。
まったく、それじゃお礼にならないじゃねえか。
仕方がないから明日の夜は奴に何かプレゼントを買って帰らないとな。そうしなけりゃ気が納まらないぜ。

まあ、奴らしいといえばそうなんだが。
そしてオレはそんな奴が大好きだから、しょっちゅう奴へのサービスを考えてしまう訳だ。

さて、存分にノロケた所でそろそろ仕事に戻ろう。
明日まで忙しさが続くが、明後日の夜にはゆっくり出来る。
今週もあとひと頑張りだ。
皆さんも体調を崩さずに元気にお過ごし下さい。

では、今夜も心地良く楽しい夢を。
おやすみ。

■追記:明日は某試験のテストだ。仕事と勉強の両立って本当に難しい。明日の結果は酷いもんになりそうだぜ(汗)

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