アタリはどれだ?
Mon.18.05.2015 Posted in 恋愛
日曜日の深夜に、ごきげんよう。

一昨日の金曜日の話だ。
オレは仕事が終わってすぐに自宅に帰ったが、大宮から戻らなくてはならなかったので奴の方が先に帰宅していた。

「ただいま」と玄関を開けてみれば、バニラと洋酒の甘い香りがふわりと漂ってきた。
そういえば奴はデザートを作ると言っていた。どうやら本格的に趣味になったらしい。

「お帰り! 手が離せないから着替えて来て!」

キッチンの方から奴の声が聞こえた。
オレは素直に了解した。先日と同じように今夜のデザートもサプライズなのだから「手伝うか?」等と無粋な事は言わないようにして。

「そっちに行って良いか?」
「ごめん、まだ時間が掛かりそう」
「判った。じゃあ先に風呂に入ってくる」
「ごめんね!」
「ちなみに何分ぐらい入っていて欲しい?」
「30分! 長い?」
「いいや、のんびり入ってくるぜ」

オレが着替えても奴のデザート作りはまだ終わらなかった。
どうも手こずっているようだったので、オレは時間を潰す為に長風呂を決めた。
久しぶりに小説を持ち込んで(ホーソーン短編集)、奴のデザートの完成を祈りながらアヒルさんと一緒に風呂に浸った。

(過去に書いたアヒルさんは今も風呂に浮かんでいる。オレはプープー鳴らすのが好きで、奴はアヒル釣りが好きだ。しかしラブホでのアヒル釣り競争はまだ実現していない)

ラパチーニの娘(短篇集の中の1作)を読み終えて少し経った頃、「出てきて良いよ!」とドアの向こうで声がした。
ずっと待っていたオレはすぐに風呂から出た。そしてリビングに入ってみれば、テーブルの上には大きさ皿に盛られたたくさんのシュークリームがあった!

2015_05_15_1.jpg
■たくさんの内の4つ。もっと大きな皿に並べれば良かったと後悔。

「凄いな! ちゃんとしたシュークリームだぜ!」
「初めて作ったから大きさも形もバラバラだけどね」
「いやいや、これはきっと美味しいぞ。食べて良いか?」
「食べて。味見はしたけど、美味しくなかったらごめんね」

オレは山盛りの頂上のシュークリームを取った。
そして一口……食べようとした時は奴がこう言った。

「その中に1つ、ハズレがあるよ」

ハズレ??
オレはシュークリームにパクリと齧りついた。
しかしそれは普通の、とても美味しいシュークリームだったのでハズレとは思えなかった。

「美味い! 洋酒が効いてるぜ。それにバニラも……これはブランデーとバニラビーンズか?」
「正解! お前の好みにしようと思ってね。バニラビーンズにもこだわったんだ。カスタードクリームに合うマダガスカル産を選んで」
「凄いな、プロのパティシエみたいだ。ケーキ屋のより美味いぞ!」
「ふふふ、生クリームとカスタードクリームを混ぜ合わせるのが大変だった。実は最初に失敗して……またスーパーに材料を買に行って作りなおしたんだ」
「そんなに大変な思いをして作ってくれたのか! どうりで美味いはずだ…… ところで、これはハズレじゃないよな?」
「うん、アタリだね。ちゃんとクリームが入っているから」

なるほど。
ハズレとは、クリームの無い皮だけのシュークリームが1個だけ紛れているという事だった。何でも、クリームが足りなくなって皮だけのが1個でき上がったので、こうしてゲームにしたらしい(笑)

2015_05_15_2.jpg
■中には美味しいクリームがたっぷり。洋酒を効かせたシュークリームは初めてだったが、かなり美味しかった。

「だが、これは皮も美味いからハズレって感じじゃないぞ」
「皮だけのシュークリームを引いたらがっかりするじゃない?」
「いいや、全然。皮だけのも食べたい。どれだ?」
「オレにも判らないからハズレが出るまで食べて」
「良し。ハズレじゃなくてアタリだ」

その晩に食べたシュークリームは4つ。
そんなにシュークリームを食べたのは生まれてはじめてだったが、洋酒とバニラを効かせて甘さを控えたアダルトな味わいだったので軽く食べられた。もっと食べようと思えば食べられたが美容と健康の為に控えた。

「明日まで保つから残しても大丈夫だよ」
「そうか。じゃあ明日は紅茶を淹れてゆっくり食べよう。今日は早く食べたくて何の飲み物も用意しなかった」
「あははは、そういえばそうだね。こんなのって初めてだ」
「ブランデーとバニラビーンズの香りに負けた」
「明日も今よりも味が落ち着いてもっと美味しくなっているよ」

翌日に食べたシュークリームは本当に更に美味しくなっていた。
皮は適度に水分が抜けて良い歯ざわりに、クリームも甘さがまろやかになって舌で溶けるようだった。

夕御飯にデザート。奴には色々と美味しいものを作って貰って感謝の言葉が尽きない。そのお礼がしたいと思いつつ、今のオレは時間がなくて外食に誘うばかりだ。

だがいつか必ず、奴が喜んでくれるものを作りたい。
かつてはオレもチョコレートケーキなどを作っていたのだから出来るはずだ。ネコ型のケーキは難しそうだがネコのデコレーションのカップケーキぐらいなら……もしも作れたら久しぶりにここにお披露目しよう。

本当に作れたら、奴は喜んでくれるだろうな。

ところで余談となるが、
シュークリームを食べた後は奴とゆっくり過ごすつもりだった。
しかし友人(ボストン君じゃない友人)に「どうしても来て!」と言われて、奴と共にカラオケ屋に行って相談事に乗ってやることにした。

その途中、友人がオレに「朋ちゃん、歌って!」と言ったので、オレはかなり久しぶりに I BELIEVEを歌った。
すると何故か奴がそれを気に入って、後日、原曲の入っているCDを購入した。

「貴方がそういう曲を気に入るって珍しいな」
「そうだね。でも印象的だよ。他の曲も良いし」
「へえ。日本の曲って話題の為にしか聴かないが(今はそれすらしなくなった)、良さそうなのを思い出したら貴方に教えるぞ」
「ありがとう。楽しみにしてる」

人の好みって、たまに突然変異を起こす時がある。今までとまった違ったタイプのものを急に気に入ったりして。

今回の奴はそんなものだったのだろう。
もっとも趣味の幅が広がるのは良い事だ。それだけ楽しい事(楽しく過ごせる時間)が増えるのだから。

その内、奴もカラオケで朋ちゃんなどを歌うようになるのだろうか(笑)
その時には盛大な拍手を送ってやろう。奴の声はとても低いので、かなりキーを下げて……ひょっとするとまったく別の曲に聞こえてしまうかもしれないが。

==========

という訳で、
早くも週末が終わってしまったな。
しかし幸運な事にオレは明日休日だ。今日の日曜日に出勤した代わりに。

この週末の出来事は明日の更新の時に書かせて頂きます。
今後は短信であってもできるだけ更新をしようと思っているが、やはり過去と環境が大きく変わったせいで難しいな(汗)

皆さんも楽しく週末を過ごされたか?
今週もたくさんの良い事があるように応援しています。

では今宵も心安らかに幸せな夢を。
おやすみ。

ランキングバナーのクリックをお願い致します。
にほんブログ村 セクマイ・嗜好ブログ 同性愛・ゲイ(ノンアダルト)へ 同性恋愛  国際恋愛

コメントはこちら携帯版)へどうぞ。大変に申し訳ありませんが只今コメント返信は不定期とさせて頂いております。

スポンサーサイト



Theme: 男同士の恋愛 « 恋愛

topBack to TOP