Le Petit Prince、再び
Fri.19.12.2014 Posted in 恋愛
バスを降りれば目の前に、あの旗を掲げた門があった。
そしてそこをくぐれば2年前と全く変わらぬ景色が広がっていた。

2014_1218_1.jpg

「変わってない!」
「懐かしいな。って、ツリーの飾りが変わってないか?」
「本当だ、オーナメントが変わってる。でもその他は同じだよ。懐かしくて、ただいまって気分だ」
「ははは。貴方は星の王子さまだな」

箱根にある星の王子さまミュージアム。
ここはオレ達の思い出の場所だ。
3年前の秋に来た時に、ここの教会で生涯を誓う言葉を交わしてから。

2014_1218_2.jpg

オレ達は喜々としながら館内に入った。
時刻は16時近く。
今回は夜に輝くクリスマスツリーを見たかったので、まずはショップで絵本や雑貨などを購入して外が暗くなるのを待った。

しかしその途中、オレ達は1つの問題に気付いた。

箱根の夜は早い。
特別な日でない限り美術館もテーマパークも5時で入園が終わってしまう。
おまけに今回は自分の車ではなくバスで来たので、この後に行くガラスの森美術館の閉館に間に合う時刻のバスに乗らなくてはなからなかったが、それはかなり早い時刻だった。

「16時半って暗くなってるかな?」
「微妙だな」
「……取り敢えず今から教会に行こうか」
「そ、そうだな。教会も暗くなってから行く予定だったが、それじゃあツリーで記念撮影をしている時間がなくなる」
「えっと、どっちだっけ? あれ、庭にないよ」
「なに! 待て、マップで確認する」

オレ達は慌ただしく移動した。
本当はは厳かで初々しい気持ちで教会に向かう筈だったが、まったく旅の予定というものは良く狂うものだ(汗)

だが、あの古めかしくて静かに佇む教会の姿を見付けた時、オレ達は嬉しくて、愛しくて、駆け込むように足早に扉の中に入った。時間のやり繰りに焦る気持ちなどすっかりと忘れて。

2014_1218_2_2.jpg

「ああ……! ここだ! 良かった、ちゃんとあったね」
「ここも変わってない……と思ったが、今日は白い薔薇だぞ。前は赤い薔薇だったよな?」
「クリスマスだからだね。祭壇の上には白薔薇のキャンドル、その横にはクリスマスツリーもある」
「ステキだな」

それは挙式の為の飾りであるようにも見えた。
そんな中で再び誓いの言葉を交わせるのはとても幸運であるとオレ達は思った。

まずは写真を撮った。
奴の祖母さんに送る為に。
その時、奴は言った。「この写真を送る時、その内に本当の式を挙げるからその時には必ず来てって祖母にメッセージを書くんだ」と。

奴は少し照れたようにそっと白薔薇に触れていた。
オレは自然と奴の肩に手を置いて、「嬉しいぞ」の言葉と共に唇にキスした。

「その日の幸せの為に頑張るよ」
「オレも同じ気持だ」
「ふふ、誓いの言葉の前にキスをしちゃったね」
「ああ、ちゃんと誓うぞ。まずは指輪を外して……」

オレは奴の薬指に嵌められている指輪を一旦取り外そうとした。
しかしその時、教会の扉の向こうに若い男女のカップルがこちらに向かって歩いて来るのが見えた。

こんな時に!?

と思ったが、その教会はオレ達の貸し切りではないので当たり前だった。ここを訪れるカップルならこの教会でロマンティックな一時を過ごしたいに決っているのだから、オレ達が独占して良い筈がなかった。

「後でまた来る?」
「時間がない」
「そうだった。じゃあ!」
「すぐにやろう。一生愛しているって誓うぞ!」
「あ、オレも! 誓う!」
「良し! キス!」
「う!」

オレ達は素早く教会の隅に移動して(カップルさんに見られないように)、勢い良く深くキスをした。
お陰で奴は驚いて「う!」と言ったが、ちゃんと誓いの言葉とキスを交わせたので良かった(笑)

2014_1218_5.jpg

「また来年も来ような!」
「今回はインパと違ってのんびり出来るかと思ったけどやっぱり忙しいね!」
「オレ達はそういう旅しか出来ないんだろう」
「それは困ったね。次回はゆっくり星の王子さまの映画(館内で上映しているアニメ)を見たいよ!」

カップルとすれ違いに外に出た。
仲睦まじく腕を組ん歩いている姿がとても微笑ましかった。
教会の外は、少しだけ夕暮れてクリスマスツリーには金色のライトが灯っていたが、まだまだ明るかった。

奴は「あと少し!」と粘って、再びショップなどで時間を潰した。
しかしバスの到着時間は迫った。
オレ達は仕方なく夕暮れのツリーの前に立って手を繋いだ。
互いの手は寒さによって冷たくなっていたが、手を繋いでしまえば間もなくあたたかくなった。

「あはは! ねえ、キラキラして綺麗だよ。ロマンティックだね」
「はは、あと30分欲しかったな」
「良いんだ、こういうのも楽しいよ。前に見た時よりは暗くなったしね」
「じゃあ次回こそ夜に見られるな」
「うん、来年こそは必ず」
「良し、必ず夜に見ような」

2014_1218_6.jpg

本当は夜に灯るクリスマスツリーの前で静かに2人の事を語るつもりだった。だがその予定は変更となって、来年こそそれを果たそうと指切りを交わす事となった。

まったくオレ達の計画は当てにならない。
忙しくて準備(下調べなど)を怠ってしまうせいなのだが、しかしオレに取っては好都合だった。

先日も書いたがオレは先の約束を交わすのが好きだ。
その日の為に仕事を頑張れるし、少なくてもその日までは奴はオレの傍に居てくれる。

時に約束とはとても脆いものだが、何故かオレは奴との約束だけは必ず守られると信じられる。
単にオレがそう強く望んでいるだけなのかもしれないが、ほとんど不安を感じることもない。奴の陽気で前向きで裏表のない人柄のせいなのかもしれない。

「あと3分!」
「ダッシュでバス停だ!」
「名残惜しい!」
「オレも!」

奴はクリスマスツリーをチラリと見た。
オレはそんな奴の頬にキスをして、奴の手を握ってバス停まで走った。結局バスは3分遅れて来たのでそれほど焦る必要はなかったが(笑)

慌ただしい結婚式ごっことなった。
誓いの言葉も言えず、リング交換も出来ず、当初の計画は丸潰れとなった。

だがとても楽しかった。
まるで自分達がラブコメディの登場人物になったかのようだった。

今度は自分の車で行って、真冬の凍えるような閉館間際の誰もない時を狙おう。
そしてコメディではなくロマンティックに過ごしたい。今回も文句なしに楽しかったが、次回はしっかりと誓いを告げてビシッと決めたいからな(笑)

2014_1218_7.jpg

==========

という訳で、
昨日と今日はツイッターでもお付き合い下さってありがとうございました。

ツイッターの方に色々な写真をアップしています。
明日も箱根の話を語りたいと思っていますので、またお付き合い頂けたら幸いです。

それにしても箱根は寒かった。
夜にガラスの森美術館に行った時には、地面が凍って雪が舞う寒さに指が動かなくなった。あの時は奴にカイロを出してもらって救われたぜ。

しかし都内もかなり冷え込んでいるな。
都内に限らず全国か。普段はこんな時期に雪など降らないところでも積もる程の雪が降っていて驚かされる。

気候が不安定なので、くれぐれも体調にはお気を付け下さい。
師走の最中に具合が悪くなっては大変だ。しっかりと防寒して、栄養のあるものを摂ってな。

明日も皆さんが幸運でありますように。
今宵も三毛子とぬくぬくと眠りながら祈っています。

おやすみ。

■書きたいことがかなりあって追いつかない(汗) 頭で考えた事を一瞬で文章にしてくれる四次元ポケットから出てくる便利な道具が欲しい。

本日もランキングバナーのクリックをして頂けたら嬉しいです。
にほんブログ村 セクマイ・嗜好ブログ 同性愛・ゲイ(ノンアダルト)へ 同性恋愛  国際恋愛

コメントはこちら携帯版)へどうぞ。大変に申し訳ありませんが只今コメント返信は不定期とさせて頂いております。

スポンサーサイト



Theme: 男同士の恋愛 « 恋愛

topBack to TOP