今年のサンタクロースは働き者
Fri.05.12.2014 Posted in 恋愛
予定よりも仕事が長引いてしまった。
奴から『新大阪に到着した』という連絡があったのは10分前。それから新大阪の待ち合わせた場所に移動するまでおよそ10分。……どんなに急いでも奴を25分ほど待たせる事になってしまった。

「申し訳ない」
「R! 良かった、ちゃんと会えた」
「すまない、退屈だったろう?」
「ううん、窓の外を見ていたらサンタクロースのパレードがあって面白かったよ」
「そんなものが……。良かった、じゃあ早速食べに行こう」
「食い倒れでしょう? 色んな物を食べたい、ランチから何も食べていないんだ」

そうしてオレ達は無事に落ち合った。
見知らぬ街で奴と会うのは奇妙な感じがしたが同時に、とても新鮮にも思えた。

オレ達には大阪に知り合いが一人もいない。
知った場所もない。
だから二人きりであるのと同じだった。
その感覚は、相手が自分にとってより身近な(大切な)存在である意識を掻き立ててくれた。

オレ達は場所を道頓堀に移した。
奴は数々のド派手で巨大な看板と、そこに集まる人々の活気に目を丸くさせた。

「東京と違うね!」
「オレもそれに驚いた。違うよな」
「お祭りをしているみたい」
「ああ、だからたこ焼きが美味いんだろうな」
「ここのフグの唐揚げも美味しいよ。ここを出たらたこ焼き?」
「白子の塩焼きは柔らかな餅みたいだ。ああ、この辺には何軒もたこ焼き屋があるから、看板を見付けた順に何軒か入ってみようぜ」

フグ屋を後にして、オレ達は目に止まった店で買い食いをして、看板の前で記念写真を撮った。

本当に縁日で遊んでいるようだった。
水掛不動で1つの柄杓を2人で持って願い事を掛けたのは楽しかった。そしてその近くにある大きな猫の看板(上方浮世絵館の看板)の横でセルフ撮影のツーショットを撮ったのも物凄く楽しかった。

「浮世絵館はもう終わってるんだね」
「残念だ。こういう猫の浮世絵もたくさんあるのかな?」
「見たかった!」

まったく残念だった。
大阪で出会った猫に招いてもらえなくて。

そもそもオレと奴が落ち合った時間は遅かった。お互いに仕事の後だったので無理もなかったが。
仕事中にオレはお客さんから様々な観光地を聞いたが、結局行けたのは梅田と心斎橋だけだった。

「ゆっくり買い物をしている時間はないな」
「オレが帰る時、駅でお土産を買って帰るよ」
「大阪土産を持って会社に行ったら怪しまれないか?」
「大丈夫。東京駅のロッカーにしまって、会社の帰りにそれを引き取るから」
「じゃあ、大阪銘菓じゃないが赤福も頼む。あとは貴方の好みで選んでくれ」
「了解」
「本当は一緒にゆっくり大阪銘産を買って、一緒に新幹線に乗って帰りたかったな」

オレ達は猫の前でそんな話をしながら、来年は必ずプライベートで大阪に来る事を誓った。

もともと来年はUSJに行くつもりだったしな。来年は余裕を持って2泊ぐらいしたい。出来れば京都・奈良にも立ち寄って3泊。もっと欲を言えば4泊で神戸か伊勢にも(笑)

2014_1203_1.jpg
■今回のお気に入りの写真は、この猫の横で招き猫のポーズをした奴を写した写真。物凄く可愛いのでプライベート用スマホの待ち受けにしている。

大阪にいても、いつもと変わらず眠る時間がやってきた。
ここのは『大阪時間』というものがあって、大阪にいる間は遊び飽きるまで好きなだけ遊べたら良いのに。

「ホテルに戻らないとな。たこ焼き、あと2軒は寄りたかった」
「食べ過ぎだ」
「そうか……。じゃあ、貴方に何かプレゼントするものを買えたら良かった」
「……それは欲しかったな。初めて大阪でデートをした記念に」

道頓堀は深夜まで賑やかなのだろうか?
物足りない気持でホテルへの帰路を辿るオレ達は、まだまだ元気にラーメン屋の前に集う人々を恨めしく思った。

タクシーに乗る前に、少しだけ道頓堀川を眺めた。
「風が冷たくなってきた」とオレが奴の肩を抱くと、
「オレはカイロ」と奴は言ったので、
「猫カイロ」とオレは言った。

翌日は、奴は仕事の都合で昼には大阪を立たなくてはならなかった。

今日の夜と明日の午前中。
そのたった数時間の為に奴を呼び寄せてしまったのは申し訳なかった。申し訳ないなどと思いつつも、オレはこの機会にどうしても奴と大阪デートがしたくて我儘を通してしまった。

「忙しい時期なのに忙しくさせて申し訳ない。オレは上司失格だな」

道頓堀川から立ち去る前にオレは奴にそう詫びた。
けれども奴はこう言った。

「楽しかったから謝らないで。誘って貰ってとても嬉しかったんだよ。ワクワクして、今日はぜんぜん仕事が手に付かなかった」

奴のその言葉を真に受けても良かったのだろうか?
奴は本音をハッキリと言う人間だし、数日前から本当に楽しみにしていたようだし……。

だが、それはそれでオレはやはり悪い上司だな。
奴を多忙にさせた上に、仕事が手に付かない状態にさせてしまったのだから。

来年は、奴に無理をさせない時に誘おう。
今回みたいに不完全燃焼のデートにさせない為にも。

そしてホテルに戻り、その翌日はホテル周囲の探索をした。
ほんの短時間しかなかったが、オレはその間に奴に金色のリングをプレゼントすることができた。

「良いの? まだクリスマス前だけど本当に良いの?」
「気に入ったんだろう? 大阪で何かプレゼントするつもりだったしな」
「そうだけど、こんなステキな色のリング……。オレに似合う?」
「似合う。ゴールドはクリスマスっぽいから今のシーズンにもピッタリだ」
「わあ、じゃあずっと着けてる。会社に着けて行ってもおかしくないよね?」

奴は買ったばかりのリングを左手の薬指に嵌めた。
その指には既に、過去にオレがプレゼントした銀色のリングが嵌めてあったが、その手前に金色のリングを嵌めた。

「金と銀でキラキラだ。オレの指がクリスマスみたい」
「はははは。今年はその指を目印にサンタさんが来てくれるぜ」
「サンタさんはもう来てくれたよ」
「24日の真夜中にまた来るぞ。必ず!」
「あはは、そうなんだ? 楽しみにしてる」

不完全燃焼の大阪デートが潤ったように思えた。
もっともその前夜、奴と2人で夜景の美しいホテルで過ごして十分に潤っていたのだが……。

その後、オレは新大阪駅まで奴を見送りに行った。
奴はニコニコしながら元気に帰って行った。
「東京で待ってる!」と言って、素早くオレの頬にキスをして。

新幹線のホームで誰かを見送るのは久しぶりだった。
その時、不意に、奴がこの年末には母国に帰省する事を思い出した。

今日もこんなに寂しくなって、年末は大丈夫だろうか?
今日は数時間後にはまた会えるのに寂しくなって、年末は何日も会えないのに大丈夫だろうか?

度々このブログに書いている事だが、
かつてオレは一人でいる事が大好きだった。どんなに好きな相手でも、何時間に一緒にいると息苦しくなった。
それが今ではちょっと離れるだけでもあんなにもの寂しい気分になるとは、人間とは本当に変わるものだな。

何はともあれ、奴と過ごした大阪はとても楽しかった。
次回、仕事抜きで行ったら今回の何倍も楽しくになるに違いない。
早くその日になって欲しいものだ。

==========

という訳で、
暫くオレは大阪贔屓となりそうです。
あの祭りのような活気は本当に新鮮で楽しかった。

おっと、今夜もこんな時間になってしまった。
年末年始は忙しさが続くので数ヶ月ほどブログを休もうかと考えています。まだどうするかは決めていませんが。

もしも休止になっても、変わらず皆さんの幸運を祈っています。
皆さんがいついかなる時にも幸せでありますようにと。

今夜もあたたかくて楽しい夢を見てください。
おやすみ。

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