シロ子の恋
Sun.31.08.2014 Posted in 恋愛
先日、実家に行った時の事だ。

シロ子に好きな子が出来たと妹から聞かされた。
相手は、妹の住むマンションの周囲に住む地域猫で、とても長い尻尾を持つほっそり美人の三毛猫らしい。

「三毛ちゃんが家のドアの前でご飯を食べていたら、それを窓越しに見ていたシロ子が一目惚れしたみたい。この間はじっと2匹で見つめ合っていたんだよ」
「シロ子、去勢してタマタマがないのに……」
「シロ子はほっそりした子が好みなのかも」
「ガーナ子はぽっちゃり美人だからな」
「三毛ちゃんを飼いたいけど、3匹になるのは厳しいし、家に来たらガーナ子みたいにぽっちゃりになるし」

シロ子にとっては悩ましい選択だな。
好みのほっそり美人をお嫁さんにもらったと思ったら数カ月後にはぽっちゃりになってしまうのだから。
……いやいや、猫を甘やかす癖を直せと妹に厳しく言わなくては。

その話を奴に伝えたら。

「会ってみたい!」

と言い出した。
それで今夜は実家に来ている。
残念ながら到着が遅くなったせいで、噂の三毛猫にはまだ会えていないが。

「明日は会えるかな?」
「必ず会えるって妹は言ってたぞ。きっとご飯をもらいに来るって」
「三毛猫って可愛いよね。オレが連れて帰っちゃおうかな」
「シロ子が泣くぞ」
「じゃあシロちゃんも連れて帰っちゃう!」
「妹と叔母さんとガーナ子が泣くぞ」

まったく奴は猫の事になると見境ない。
猫の尻追いかけ星人だ。

しかし奴の猫への探究心のお陰で、今夜は実家で新婚さんごっこが出来た。
妹は気を利かせて叔母宅に行ってしまったしな。「気にしないで居ても言いぞ」とオレは言ったが、やはり気になってしまうようだ。まあ、そうだろうな。

そんな訳で明日も妹は不在だが、それでも三毛ちゃんは来てくれるだろうか?
誰かれ構わずに餌をおねだりする子らしいので恐らくは大丈夫だろうが。

「Iちゃん(妹の名前)が作り置きしてくれたビーフシチュー、美味しかったね」
「ああ、美味しかった」
「ふふ、ここに来るとオレはお前と結婚した気分になるよ」
「そうなのか? オレ達のマンションに居る時よりも?」
「うん、ここにはお前のご家族や猫がいるせいだろうね。だから今日はIちゃんが居なくてちょっと残念だった。お前の家に来たオレを迎えてくれる人がいなくて」

夜は和室に布団を並べて敷いて、オレ達はそこに寝転がって暫く話をした。
淡く灯る和紙に包まれたテーブルライトだけを付けて、ウイスキーを飲んで、そのまま寝入ってしまうように心地良く寛いだ。

前々からだが、何故か奴は和布団に横になるとオレに身体をぴったりと寄せてくる。
だからオレは自然と奴に腕枕をする。
和布団には2人の人間を親密にする雰囲気があるようだ。そして肌を合わせたくなる艶かしい雰囲気も。

実家に来た時間が遅かったので、ゆっくりと食事をしてからシャワーを浴びたら、もう奴の眠る時間になってしまった。

本当は今夜、近くの公園で花火をする予定だった。
しかし花火可能な公園とはいえ、余り遅い時間に花火の音を響かせては申し訳ないので明日の夜に変更した。

「明日で8月は終わりだね」
「ああ。明日は絶対に花火をしような」
「楽しみなんだ」
「オレもだぞ」
「明日は猫にご飯をあげたら、今月最後のランチを一緒に食べて、帰り道に花火を買おう。それから……」

奴はそこで語るのを止めて身体を起こした。
そしてオレを見下ろしてキスをした。

オレは奴の髪を撫でた。
自分からもキスをして、「それからどうしたい?」と奴に訊いて。

「オレがどんな風に過ごしたいか気付いてよ」

奴はそう答えて笑った。
オレも釣られて笑った。
きっと奴が思い描いている明日の予定とオレのそれは同じだと思いながら。

8月最後となる日曜日は、朝から晩まで楽しく過ごそう。
9月に入ったらまた数日間は忙しくなる。
だから明日はゆっくりと食事をして、興味のままに買い物をして、情緒豊かに花火をして、たっぷりと心も身体も繋げておこう。

大好きな夏が終わってしまうのは残念だが、どうせ月日の流れるのは早い。
時間が流れるのを惜しむよりも来年の夏を待つことにしよう。また奴と2人で、今年よりも来年はもっと楽しい夏にすると約束して。

今夜も、本当は奴を抱きたかった。
オレも和布団の寝心地は好きだから。
それに和布団はベッドのように転げ落ちる心配がないので、激しい事をしたくなる衝動に駆られる(笑)

しかし何時もとは違う寝具で奴を抱っこするのは良い心地だった。

オレも奴と一緒に眠った。
だが3時間ぐらいで起きて、目が冴えてしまった。
今日はこのまま起きているのも悪くない。都心から離れた所(少なからず自然のある)で迎える朝の空気はとても気持ちが良いから。

窓の外はとても静かだ。
皆さんもまだ眠られるのだろう。
これから眠られる夜更かしの方も居そうだが(笑)

良い夢を見ているか?
8月最後の日曜日が幸運な1日となるように祈っています。
そして大切な人と楽しく過ごせますように。

では、引き続き心安からに幸せな夢を。
おやすみ。

<お礼>
昨日のエントリーではたくさんの応援クリックを送って下さってありがとうございました。最後のオヤジギャグへの評価でしょうか? また浮かんだら書かせて頂きます(笑)

■ky~uさんへ:すみません、31歳を超えた辺りからオヤジギャクが勝手に口から出る時がありまして(汗)

<余談>
シロ子とガーナ子の間に恋愛感情は一度もなかったようだ。
子供の頃から去勢したオスと避妊したメスの場合、一つ屋根の下で暮らしてもそうなるのかもしれない。たまに互いに毛づくろいをする時はあるが、別々に行動するのがほとんどだ。

しかし、それでもシロ子はガーナ子に何かあると(病院に連れて行く時など)、全身でガーナ子を守ろうとする。勇敢に妹に立ち向かって抗議の鳴き声を上げる(猫にこれをやられるとまるで悪人になった気分なんだよな。病気を治す為に病院に連れて行こうとしているだけなのに)

ガーナ子もまた、シロ子に何かあると不安そうなか細い声で鳴き続ける。

シロ子とガーナ子は恋人や夫婦にはならなかったが家族という絆で結ばれているようだ。

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