何も語らぬライチが望む道
Thu.17.07.2014 Posted in SM・フェチ
5日ぶりの夜に、ごきげんよう。

奴は暑さに弱い。
今年は異常気象もあってとても蒸し暑い日が多く、その為に何度か軽い鼻血を出している(エルニーニョも秋にずれ込んで、今年も猛暑が予想されているそうだな)

だからといって極端に身体を冷やすのも良くない。
かき氷器を購入して毎夜のように奴に氷いちごや氷メロンを出そうかと思ったが、それよりは健康的に冷えたスイカやメロンを出す事にした。

そんな日々を送っていたある日。

オレ達は久々にフレンチレストランで食事をした。
そしてその後、そのレストランのあるホテルのラウンジで、丸くカットされたメロンの浮かぶデザート・ドリンクを飲んだ。

「冷たくて美味しい。口の中で冷たい果汁が溢れる」

奴はそのドリンクをとても気に入ったようだった。
赤くぽってりとした唇でメロンの冷たい感触を味わい、それから口の中で噛み締めて滴る果汁を……と、そんな愛しむような食べ方をしていた。

オレはその様子を眺めて淫靡な気持ちを掻き立てられた。数年前に見た『とある調教』を思い出しながら。
食事中に生々しい調教の話しをするのは好きではないオレだが、それは耽美趣味なフェチストが行った可愛らしい悪戯だったので奴にその話をした。

「こんな丸い果物を奴隷に挿入していた男がいた」
「メロンを?」
「メロンは柔らかいから上手く入らなさそうだ」
「じゃあスイカ?」
「スイカも簡単に潰れるだろう」
「うーん、なんだろう? マンゴーでもバナナでもないよね?」

奴は答えを知りたかった。
だがオレは意地悪をして教えなかった。
どうせなら教える時に、奴に同じ悪戯をしてやろうと企んだから。

それから数日後。
オレはスーパーで買い物をしている時に『答え』である果物を見つけた。

オレはそれを購入し、帰宅して冷蔵庫で冷やした。
夕食の後に冷たいカクテルを作って、その上に浮かべて、そこからさり気なく奴をそそのかそうと計画して。

かくして夕食の後、オレは果物とアルコールをテーブルに並べた。
オレが破廉恥な企みをしているなど露ほどにも知らぬ奴は無邪気に喜んだ。「冷えたジンにライチって合いそうだね」と言って。

そう、『答え』はライチだった。
適度な硬さと弾力があるために他の果物のように潰れない丸い果物だ。

「ああ、良く合うぞ」

とオレは言って、皮を剥いたばかりの新鮮なライチをジンに浮かべた。
奴は笑顔でそのグラスを受け取り、一口ジンを飲んでからライチを口に含んだ。

「美味しいか?」
「……美味しい! ジントニックのクールな味と合わさって、口の中が冷たくなって気持ちが良いよ」
「気持ちが良いか」
「お前も飲んだら?」

奴に勧められてオレも同じものを作った。
だがライチは奴に譲った。キスをして、口移しで。

「冷たくて気持ち良いか?」とオレが囁やけば、奴は目を細めて頷いた。
オレは自分の計画が順調であると確信した。もう一杯、冷たいライチのカクテルを作り、そして言葉巧みに奴を乗せれば……と。

「蒸し暑い日が続いて身体が火照っているみたいだな」
「熱が冷め切らない。だから鼻血も……」
「身体の中から冷やすか?」
「身体の中?」
「ああ、このライチで。冷たいのが喉を通って気持ちが良かったなら、今度は貴方の下の口から入れて」

しかし、オレがそう言った途端、奴は笑って首を横に振った。
「嫌だよー!」と、キッパリと言って。

オレはさっきとは裏腹に計画があっけなく崩れるのを予感した。
だが諦められずに食い下がった。
アルコールに浸した冷たいライチは貴方を気持ち良く酔わせるとか、羞恥と酔いが新たな刺激になるとか、猫耳を付けた貴方に1個1個これを挿入したいとか。もう後半の方はただの酔っぱらいの欲望の垂れ流しでしかなかったが。

「ダメか?」
「ダメ」
「夏向けの前戯として気持ち良いと思うんだがな」
「もしかして、この前レストランで言っていた果物ってライチ?」
「そうだ」
「そうか。あの時はちょっとドキドキしたけど、実際にこんなものをお尻に入れるって想像したら……ダメ」
「なんで? 興奮するとか言っていたじゃないか」
「あははは。でも、入れて、ちゃんと出てくる? 出すには浣腸? 取れなくなって肛門科に行くのは嫌だし、ライチが可哀想」

あの耽美派フェチストのように浣腸器を使えば取れないということはまず有り得ない。
だからオレも当たり前のようにそうするつもりだったが……確かにガラスのシリンダー製の浣腸器を奴に使うのは限度を超えた行為であって、それはちょっとオレの望むことではなかった。

夢見がちな先走りフェチストはしょっちゅう落とし穴に落ちる。
理想に突っ走る余りに上下左右が見えなくなり、自分の求めるものばかりに都合良く目が行ってしまう。

「残念だ」とオレが諦めた呟きを漏らせば、
「変態。オレにするつもりでライチを買ったんだね?」と奴は言った。

だが奴はチャンスを与えてくれた。
「お前が先にライチをお尻で食べて、浣腸器を使って確実に出てくるって立証してくれたらオレにもして良いよ」

ハードルが高い条件だった。
無理だと思った。そんな無理だと思うような事を奴にしたがるのはいけないのだが……。

だが、猫耳の奴が1個挿入される度に「にゃあ~ん」とエロく鳴いてくれるならオレは自分の尻を差し出しても良いような気がした。

いや、そんなのは冗談だが。
冗談のハズなのだがオレは耽美派フェチストにメールで問い合わせてしまった。「浣腸で確実に出てくるよな?」と。

オレは何を考えているのだろうな。
きっとこの夏の異常気象で脳がただれてしまったのだろう。
ライチで尻を冷やす必要のあるのは奴ではなくオレなのかもしれない。

と、結局オレが尻を差し出すべき立場となってこの失敗談を終わります。
ご拝聴、ありがとうございましたm(__)m

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久しぶりの更新がこんな話で申し訳ない。

色々と書きたいネタはあったが、リアルタイムを逃すと、どんなネタもつまらなく思えて書く気になれなくなるものだな。
短信でもその日にあった出来事を書けるようになりたいものです。

湿気のある暑い日が続いているが、皆さんはお元気ですか?
オレの会社には頭痛や腹痛などで体調を崩す人もいるので、どうぞ皆さんも気をつけて下さい。

明日も明後日も幸運な1日となりますように。
不定期更新になっても応援してくださる皆さんに感謝を込めて、そう祈らせて頂きます。

では、今夜も心安からに楽しい夢を。
おやすみ。

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