あの寒い夜に貴方に言わせたい事
Thu.16.01.2014 Posted in 恋愛
銀座の一年中イルミネーションが点いているところで待ち合わせをした。

夜でも奴の姿はすぐに判る。
奴はこちらに向かって来ながら手を振っていたのでオレも奴に手を振り返した。

「お疲れ様。寒かっただろう?」
「そうでもない。でも温かいものが食べたい」
「温かいものが食べたいって思うのは、寒いって感じている証拠じゃないのか?」
「ちょっと違うよ」
「一体貴方は、どれだけ寒くなったら寒いって言うんだ?」

そこから徒歩1分程、予約した店に入って日本酒を頼んだ。
いつものシャンパンの代わりだ。今日のオレの頭の中には『日本の寒い冬がやってきた』のイメージが出来上がっていたので(残念ながら雪は降らなかったが)、その気分に浸りながら奴と温かな夜を過ごしたかった。

「お腹が温まる」
「美味いか?」
「お前と飲むようになってから、この味も好きになったよ」
「最初は甘い甘い言っていたよな」
「あはは。お代わり。今日は2人で徳利をカラにしよう」

奴はそう言ってカラになったお猪口をオレに差し出した。
今夜に限ったことではないが、2人で外食をするといつもオレがホスト役になる。酒を注いだり、料理を小皿に取り分けたりするのは何時もオレの方だ。マゾ体質だからか、そういう事をやるのが好きでな。

メイン料理のうどんすきが来た時もそうだった。
鍋にうどんや野菜などを入れたのは中居さんだったが、奴のお椀に汁を入れたり、海鮮や餅の追加を入れたり、火加減を調節したのはオレだった。

「……お前ってマメだよね」

と、そろそろ鍋がカラになる頃に奴が言った。
オレは笑った。「貴方の世話を焼くのが好きだからな」と言って。そして自分のおてふきで奴の手元のテーブルを拭いてやった。

それを見て奴は笑った。
「オレも、そんなオレの祖母みたいなお前が大好きだよ」と言って。

どうやら奴の祖母さんもオレと同じように奴の世話を焼くのが大好きだったようだ。
奴がもう4年もオレと仲睦まじく付き合ってくれるのは、もしかするとオレと祖母さんの行動が重なるからなのかもしれんな(笑)

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「一生面倒を見てやるぞ」
「プロポーズ?」
「ああ」
「ふふ。見てね」
「美味しいご飯も食べさせてやる」
「猫に言ってるみたいだよ」
「猫だろ。猫耳を付けても違和感がないぐらい猫だ」
「あはは。にゃーん」

日本酒と芋焼酎と白ワインと、オレ達は結構な量を飲んでいた。
だが寒い日に酔っ払うのは格別だ。
窓の外は寒そうなのに店の中はとても暖かくて、目の前では奴が陽気に笑っていて、ただそれだけの事にオレはとても幸せを感じていた。

「休みって良いな」
「休みが少なくなって有り難みが判った?」
「そうそう、そんな感じ。休みがもっと欲しい」
「今度の土曜日も仕事だものね」
「……まあ、良いんだが」
「良いの?」
「今頑張れば、来週はTDRに行ける」

楽しみだね、と奴が言った。
楽しみだな、とオレも言った。今の山場を超えたらインパして、ようやく奴にアレをプレゼントする事ができると心の中でニヤニヤした。

==========

という訳で、
大変な日はあと一週間ばかりだから頑張ろう。

それを乗り越えてインパした日には、まさに夢のように楽しむぞ。
奴に猫耳帽子をかぶせて、手を繋いで夜景の美しいシーを歩くんだ。カクテルを飲んだ後に、あの真冬の寒い寒いシーの夜を歩いて「寒い!」と奴に初めて言わせてみせる(笑)

物凄く楽しみだ。
奴との楽しみがあるからオレは頑張れるぞ。

これから寒い日が続くが、皆さんの心の中はいつも暖かくありますように。
明日も楽しい出来事があるように祈っています。

今日もお付き合い下さってありがとうございました。
お互いに良い夢を見ような。

おやすみ。

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