Disappear
Sat.11.01.2014 Posted in SM・フェチ
それは12月には赤い薔薇だった。
だが今は枯れて黒い薔薇になっていた。

枯れて干からびた薔薇とはいえ、それでも手折ってしまったら花泥棒だ。
だがオレはやってしまった。
奴に「珍しい黒い薔薇があったぞ」と言って、見せてやりたくて。

玄関を開けて「ただいま」と言えば、
「お帰り」と奴は出迎えてくれた。

オレは奴に薔薇を差し出した。「黒い薔薇だ。本当は真紅のが枯れて黒くなっただけだが、ちょっとキレイだろう?」と言って。
奴は「耽美な感じだね。お前が今付けている青いネクタイに似合うよ」と言って、薔薇を受け取ってオレの襟元に寄せた。

枯れた花弁が首筋に触れた。
それは乾燥してガサガサとしていて、何となくサディスティックな感触だった。

「皮膚が切れそうだ。それで叩かれたら花弁は全部落ちてしまうかな?」
「どうだろう? 試してみる?」
「貴方がしたいなら」
「あは、おねだりをしているくせに」

奴は硬い薔薇の花でオレの頬を撫でた。頬だけでなく、唇から耳までも。
しかし次の瞬間、思い切りそれでオレの頬を打った。優しい笑みを完全に失くして、獣のような目になって。

予想以上の痛みにオレは自分の頬を手で覆った。
その痛みと衝撃はキツく編み込んだ縄の鞭で打たれるのに似ていた。
そんなにも強く打ったのなら薔薇の花は砕けるように散っただろうと思った。しかし奴はオレの目の前に薔薇を差し出してこう言った。

「1枚しか散らなかった。手で握りしめたらボロボロになりそうなのに案外丈夫だね」

そして再びオレの頬をそれで撫でた。
何度打ったら全ての花弁が散るだろうね? と、オレに問い掛けるように。

「葉が硬くて、顔が切れるかと思ったぞ」
「顔に傷を作ったら目立つね。でも誰かに何か言われたら言ってやれば言い。オレにされたって」
「会社でそれを言ったら皆びっくりするだろうな」
「言っても良いよ。実はオレは女王様でお前は奴隷で、お仕置きをされて薔薇で打たれたんだって」

奴は笑いながらそう言った。
だが、このところ毎日のようにオレの帰宅が遅くなって少なからず不安に思っているのをオレは気付いている。

オレは決して浮気はしない。それは奴も判ってくれているのだが、そういった不安とはなかなか一筋縄でいかない。信じていても寂しさゆえに相手を今よりも確実にとなぎ止めて置きたくもなる。
だからもしかすると奴は、本当にオレ達の関係が公になってしまえば良いと思いながらそれを言ったのかも知れない。

だからオレは提案した。
「顔はまずいが、背中ならもっと打っても良いぞ。花弁が全部散るまで」と。

「本当に傷が付くかもしれないよ?」
「良いぞ。貴方に傷付けられるのは嬉しいって前にも言っただろう? 貴方のものだって証を付けられたみたいでな」

本当に? と、途端に奴はとても可愛らしく微笑んだ。
本当だ。と、オレは奴の髪を撫でて、片手でスーツのボタンを外した。奴がそんなにも喜んでくれるなら、本当に自分の背中が傷だらけになっても構わないと思いながら。

「もしも傷が付いて血が出てしまったら、また赤い薔薇に戻るかもしれないね」

奴はそう言ってオレの首に両手を回した。
それから深くキスをして、互いの官能が十分に昂ったところで身体を離した。オレの背中を打つ為に。

まずは奴の指先で背中をなぞられたがゾクゾクした。
いつ飛んでくるかしれない鞭の痛みに怯えながらも、オレはそのスリルに限りなく陶酔していた。無防備に奴に晒した背中を汗ばませて、心臓を高鳴らせて。

「困ったね。まだ打ってないのに、オレもお前もこんなに興奮してる」
「打たれたらもっと興奮するぞ」
「ああ……そうだね。今だって凄く感じているのに」
「その薔薇の花弁がなくなったら貴方に襲いかかるぞ」
「そうして、激しくして、早く……」

奴は悶えるような声を出してオレの背中を強く打ち付けた。
オレも反射的に声を上げた。
背中に強かな痛みが走ったが、早く次の一撃を喰らいたくて、もっとメチャクチャに嬲られたくて堪らなくなった。

淫猥で背徳なスイッチが入った。
気持ちの良い愛撫よりも燃え上がれる支離滅裂な快楽に正気を失った。

黒い薔薇は徐々に花弁を落として行った。
だがオレは全ての花弁が落ちるまで大人しくしているつもりはなかった。

あと一枚。
ハラリと足元に落ちたなら、獰猛に滾らせたものを奴の中に打ち込むつもりでいた。
その激し過ぎる快感の中、既に下着は興奮の液で濡れまくり、もう間もなくオレの理性は消えてなくなると自分で判っていたから。

==========

時間のない日々だが、たまに戯れれば激しくなれるので、それはそれで良い。
しかしゆっくりと本や動画を観ながらゴロゴロできる時間も欲しいぜ。
それからインパもしたいな。今月は必ず行くぞ。

皆さんも1月は何かと多忙かもしれないが、どうぞ体調に気を付けて幸運な日々を。
今日も明日も楽しい日でありますように。

おやすみ。

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