サンタクロースに会えた夜
Fri.03.01.2014 Posted in 恋愛
24日の深夜、奴はぐっすりと眠っていた。
オレは奴を起こさないようにそっとプレゼントを枕元に置いた。
本当はもっともっと大きなものをプレゼントする筈だったが、今年は尋常ではない忙しさに追われて準備が間に合わなかった。だからその代りに、奴の瞳と同じ色の宝石の入ったカフスと、暖かそうなニットのブルゾンをプレゼントする事にした。

奴は起きたらプレゼントに気付いてくれるだろうか?
包みを開けたら喜んでくれるだろうか?
……本当は予定していたものを贈りたかったが、カフスとブルゾンでも喜んでくれるだろうか?

そんな事を考えながらオレは眠りに就いた。
だが眠りが浅かったのだろう。目覚ましが鳴る前に些細な物音で起きてしまった。

小さくカサカサと言う音がオレの耳元で鳴った。
『何の音だ?』と薄く目を開けば、何とオレのすぐ目の前にはサンタクロースがいた。赤いサンタドレスを着て、オレの枕元に手を置いて……サンタドレス?

驚きに包まれていたオレはハッとした。
そのサンタドレスに見覚えがあったからだ。
確かそれはオレが恋人に贈ったもので、先日、恋人はそれを着てフェティッシュな行為を……。

オレの恋人はとてもユーモアのある陽気な男だが、まさかクリスマスにそんな演出をしてくれるとは。
わざわざパジャマからサンタドレスに着替えてサンタさんになってオレにプレゼントをくれるとは!

オレは悩んだ。
感動のまますぐに「サンタさん、ありがとう!」と叫んで奴を抱きしめるべきか、あるいは狸寝入りを続けて目覚ましが鳴った後に「わあ、サンタさんが来てくれたんだ!」と驚くべきか……と。

悩んでいる内に奴が頬にキスをしてくれた。「ふ」と嬉しそうな小さな笑い声を漏らして。

オレは狸寝入りを続けた方が良いように思えた。
奴はサンタクロースになりきって楽しんでいるのだから、それを壊してはいけないような気がして、目覚めた後に歓喜する良い子の役に徹する事にした。

間もなく奴はそのままの格好で布団に入った。
目覚めたら隣に可愛いサンタさんがいるなんて粋な計らいだった。
それもプレゼントの一つだったのかもしれん。それならオレは喜んでそのプレゼントも受け取ろうと思った。「貰ったぞ。一生大切にするぞ」と。

──やがて目覚ましが鳴った。

オレはすぐに目を開けて奴を背中から抱き締めた。「メリークリスマス」と言って。
奴もこちらを向いて「メリークリスマス」と言った。赤いサンタドレスを着た姿で、ニコニコとはにかんで微笑んで。

「サンタさんだ!」
「あはは。サンタさんがお前にプレゼントを運んで来たよ」
「本当だ。凄く嬉しいぜ。中はなんだろうな? で、このサンタさんもプレゼントなんだろうな?」
「開けてみて。もちろんこのサンタもお前へのプレゼント」
「ありがとう。一生大切にするぞ」
「そうして。オレのところにもサンタさんが来たみたいだから、このプレゼントを開けてみるね」

ありがとう。
お互いに何度もその言葉を言いながらキスをした。
そして身体をぺったりとくっつけたままプレゼントを開けた。

奴はオレからのプレゼントをとても気に入ってくれたようだった。
「このカフスを付けた仕事着姿と、このブルゾンを着た普段着姿の写真を撮って祖母に送って自慢するんだ」などと言っていたが、果たして自慢になるかどうかは不明だ(そう言って貰えてオレは照れるぐらい嬉しかったが・笑)

オレも奴からのプレゼントが物凄く気に入った!
奴からは『奴サンタさん』と『セーター』と『キーホルダー』を貰った。

セーターはとてもセンスの良いもので着るのが勿体無いぐらいだった(正月に着たがオレのイケメン度が3割増しになるぐらい洗練している。オレの元々のイケメン度の程は伏せておくが)
そしてキーホルダーは何と、シロ子をモデルにしたオリジナルの銀細工! 奴がオレの為に、アクセサリー細工をやっている友人に頼んで作って貰ったそうだ。

「うわ、凄く良い。ありがとう、物凄く大切にするぜ!」
「うふふ、気に入って貰えて良かった」
「凄く気に入った。一生大事にするからな」
「オレと一緒に一生大切にしてくれるんだ?」
「ああ、貴方の事も、セーターもキーホルダーも、みんな一生大切にするぞ」

25日が休日だったらどんなに良かっただろう?
時間を忘れて奴を抱き締めていたかった。
その可愛いサンタさんに尽きぬ感謝を告げて、クリスマスらしい楽しい話をしながらずっとそうして過ごしていたかった。

「せめて乾杯しようぜ!」
「朝から飲むの!?」
「クリスマスなんだし、こんなに楽しいんだから、飲まないとキリスト様とサンタさんに失礼だ」
「そう? うん、でもそうだよね。オレも朝から飲みたい!」

祝福とは歓喜だ。
幸福とは楽しくてたまらない事だ。

オレ達はそんな事を言いながら乾杯した。
お気に入りのシャンパンのミニボトルを開けて。2人に祝福があらん事を祈って。

メリークリスマス!

2014_01_03_1.jpg

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というエントリーを12月25日に上げたかった。
もう最近は忙しくてタイムリーにエントリーを書くのが難しくなってきたな(汗)

今後もこんな時期外れなエントリーが上がる事もあるかと思うが、それでも今年もよろしくお付き合い頂けたら嬉しいです。

では、引き続き楽しい2014年を!

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