キスと同じ距離で傍に居て
Sun.20.10.2013 Posted in 恋愛
「夜になったけど、熱は?」
「下がったような気がする」
「どれ?」

オレはソファに横になっていたのだが、奴はその上に乗って額を重ねて熱を確かめた。
そして本当に熱がない事を確認すると、今度は手のひらをオレの頬にペタリと当てた。

「火照りも無くなってる?」
「ああ、昼間の方が熱があったな」
「でもまだ咳が出てる。鼻は?」
「大丈夫だ」

しかしそんな時に限ってタイミング悪く、奴の顔が目の前にあるというのにオレは咳をしてしまった。勿論、咄嗟に顔を背けてやったが。

「コンコン。まだ無理しちゃ駄目だね」

奴はそう言って咳の止まったオレの鼻を軽く摘んだ。

「……正直に言うと、喉が乾燥してガサガサしてる。痛みはないんだが」
「どれ? あーん」
「あーんって、見て判るのか?」
「判らないけど心配だから見ておきたい」

なんて無意味な……とオレは思って首を横に振った。好きな人に喉ちんこを見られるのは恥ずかしいしな(奴が喉ちんこに興奮するフェチストなら頑張って見せるが)

すると奴は両手でオレの顔を挟んでもう一度「あーん」と言った。
それでもオレが首を横に振ると、いきなり唇にちゅーっとキスをしてきた。

「こら、風邪がうつるぞ」
「いつもうつらないから大丈夫。見せてくれないなら、こうやって吸い取ってあげようと思って」
「そんな簡単に取れるなら掃除機で吸って治すぞ」
「掃除機じゃ駄目なんだよ。お前の風邪を治したいと思う気持ちが風邪のウイルスを退治するんだから」

退治? 吸い取るって言ってなかったか?(汗)
まあオレを案じて治してくれようとする気持ちはとても嬉しかった。だが、やはり奴にうつさないという保証はなかったのでキスは遠慮してもらった。

その代りに、「ちょっと寒いから抱いてくれ」と言った。
すると奴はニコニコしながら「待ってて」と言い、寝室からタオルケットを持ってきて、オレを抱き締めて2人の身体にそのタオルケットを掛けた。

「暖かい。喉もすぐに治りそうだ」
「後で蜂蜜を溶かしたハーブティーを作るよ」
「嬉しいぞ。じゃあ今夜はそれを飲みながら『猫侍』を観るか」
「そうしよう」

そんなに身体をくっつけてしまったらキスをしているのと同じだったが、奴の身体はとても温かくて「駄目だ」なんて言えなかった。

それにしても、この数ヶ月でオレは随分と弱い子になったな(汗)

最近はオレの体調の事で奴に迷惑をかけっぱなしだ。
今日も喉の薬を買って来てもらったり、料理を作って貰ったりしたしな。
不調が治ったら、心からの感謝を込めてたっぷりと礼を返したい。

去年までの風邪すらひかなかったオレはどこに行った?
だが今迄ずっと無茶な生活を続けてきたから、それを改善させる良い機会になっているのかもしれんな。かつての生活を続けていたら、オレは一昨年亡くなった親父と同じ事になっていたかもしれないから。

そういえば、親父が亡くなってもうすぐ2年だ。
墓参りに行ってやらないとな。ついでに、今や誰も住まなくなった親父の実家を整理しなくては。奴はその用事に付き合ってくれと言ってくれたから、墓にも実家にも一緒に行って。

さて、楽しかった日曜日もあと少しで終わりだ。
皆さんも良い休日を過ごされたか?
今週も沢山の楽しい出来事に恵まれるように応援しています。

では、今夜もゆっくりと幸せな夢を。
オレみたいに風邪をひかないように暖かくして寝るんだぞ?

おやすみ。

<余談>

今夜も『猫侍』を奴と観たのだが、2人で玉之丞を「可愛い、可愛い!」と言って騒いでいたら、急に猫様がクルルクルルル!と甲高い声で鳴き出した。
そしてテーブルクロスにジャレついたと思ったら引きずり落として、オレ達に向かって「撫でろ、抱っこしろ!」と言うように詰め寄ってきた。

あんな猫様を見るのは初めてだった。
どうやら嫉妬したらしい(汗)
猫の嫉妬深さは知っていたが、まさかテレビに出ている猫にまで嫉妬するとは。

お陰で奴は猫様のご機嫌取りに大変だった。
「オレの猫はお前だけだよ。お前が一番可愛いんだ。愛してるよ」と、そんな事を言いながら猫様を撫で続けていた。

猫を飼われている方はご注意を。
どのお宅の猫ちゃんも、飼い主さんの愛情を独占して自分だけを目一杯可愛がって欲しいものだからな。

ではまた明日!

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こんな夜には暖かな腕に包まれたくなるもの
Sun.20.10.2013 Posted in 恋愛
昨夜の雨音は悪くなかった。
降り始めた時には『また雨か』と思ったものだが、会社に置いてある予備の傘を差して奴と歩くのは楽しかった。

「降り始めちゃったね」
「明日も降るらしい。寒いから温かいものが食べたいな」
「寒い?」
「寒くないか?」
「寒いんだね」

レストランへと続く道は暗くて人影もなかった。
奴はオレの肩を抱いた。
奴に抱かれたところから温もりが広がり、雨の夜の寒さが気にならなくなった。

2013_10_20_3.jpg

奴のお気に入りのイタリアンレストランに入った。
そこで窓の外に降る雨を眺めながら、温かなミネストローネや焼きたてのピザを口にした。

雨は止みそうになかった。
こんな冷え込む夜には赤ワインが合いそうだったが、生憎はオレは近くの駐車場に車を停めっぱなしだったので飲むことはできなかった。

「貴方は飲んだら良いぞ」
「オレも良いよ」
「今日は休みを返上して頑張ったんだから、少しぐらい飲めば良いのに。こんな日にテーブルにワインがないのは寂しい」
「……そう?」

奴は店のお勧めの赤ワインを注文した。
そして間もなくやって来たギターの弾き語りの方にチップを渡して、陽気に一緒に歌ったりハグを交わしていた。

オレはそれを眺めながら良い光景だな……と思った。
奴が楽しそうにしている姿を見るのは大好きだ。何故かたまに感極まって泣きたくなる時もある。

そしてそんな時には必ず思う。
一人で居る事が何よりも好きだったオレが、こんな風に誰かの幸せを心から喜べる気持ちを持てて嬉しい、と。

「楽しくて食べ過ぎちゃった」
「良かったな」

駐車場まで5分。
気温はますます低くなっていたが、一本の傘を差して身体を寄せていたのでそれほど寒くはなかった。
奴はレストランで歌った曲を口笛で吹いていた。オレが「上手いな」と言うと、「ありがとう」と笑って。

「ふう、でも急にこんなに寒くなるのは嫌だね」

車に乗ってから、奴はブルリと身体を震わせてそう言った。
奴は北欧生まれの為に寒さには強いが、それでも急激に気温が下がれば寒さに敏感になってしまうようだ。

「少し濡れたか?」
「腕をちょっとだけね」
「上着を脱いでこれを掛けてろ。久しぶりの登場だぞ」

オレはそう言って後部座席に手を伸ばした。
そして猫(ロシアンブルー)の形をした収納袋から毛布を取り出して奴の身体に掛けた。ついでに、その収納袋を奴に抱かせた。

「ふふふ、暖かい」
「風邪を引くなよ。休日出勤で風邪をひくなんて、これ以上つまらん事はない」
「お前もね。寒くない?」
「ああ、大丈夫」

オレは、毛布に包まって喜んでいる奴にキスをして頭を撫でた。
それから車を発進させて猫様が待つ我が家へと向かった。

楽しい休日出勤だった。
だがきっと、あんな休日出勤はあれが最初で最後だろうな。その記念にオレもワインを飲みたかったぜ(笑)

しかし、昨日は雨に当る事が何度かあって、少々気分的な問題で夜更かしをしてしまったのだが、それが悪かったのか風邪をひいたらしい。

と言っても少し喉が痛くて顔が火照る程度だ。
奴の処方(マヌカ蜂蜜)を飲んでいれば明日には治るだろう。
まったく、今年の滅茶苦茶な気候には困ったもんだ。明日は夏日に戻るらしいしな。

皆さんも、くれぐれも体調にはお気を付け下さい。
外を歩けばマスクをしている人の姿を良く見かける。
暖かな日でも夜になれば冷え込むので上着をお忘れなく。

では、引き続き楽しい日曜日の午後を。
また時間に余裕があれば深夜にお会いしましょう。

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