ムーミン谷に行く前夜の夢時間
Sat.21.09.2013 Posted in 恋愛
今日も夕暮れた銀座は美しかった。

しかしオレは空を眺めている暇もなく奴を待たせているカフェへと急いだ。
待ち合わせは17時半だったが仕事が長引いたお陰で18時になっていた。『ちょっと送れるから待っていてくれ』というメールしか出せなかったので、奴が不機嫌になっていないか心配だった。

目的のカフェに到着して店内に入ると、奴はオレに向かって手を振った。
笑顔だった。
ホッとした。
オレは奴のいる席に着くなり、「すまない、遅くなった」と詫びた。

「良いよ、お疲れ様」
「ごめん、すごく焦った」
「たったの30分だ。それより何か飲む? オレがご馳走するよ」
「遅刻したのに奢ってもらって良いのか?」
「休みなのに早朝から頑張ったからね。奢らせて」
「ありがとう。じゃあお言葉に甘えて」

と、オレは紅茶と、焼きリンゴにアイスを乗せたデザートを頼んだ。
昨夜は4時ぐらいまで書類整理をして、今日も頭を使う仕事ばかりだったせいか、とても甘いものが食べたかった。

2013_09_21_6.jpg

焼きたてあつあつのリンゴの上に冷たいアイスの乗ったデザートは物凄く美味かった。

リンゴが出回る今の時期になると、オレは決まって焼きリンゴのデザートが食べたくなる。焼きリンゴってなんであんなに美味しいのだろうな? アップルパイも好きだし、サツマイモと合わせたケーキも好きだし、自分でバターで炒めたものも好きだ。

「美味しい?」
「ああ、今日も生きていて良かった……って思う味だ」
「そんなに美味しいんだ?」
「ほら、一口」
「うん」

オレ達は店員さんの目を盗んでカップルらしく「あーん」をした。
そして明日のデートの話をした。明日こそムーミンショップだな! と。

奴はとても嬉しそうだった。
近々祖母さんに冬物のプレゼントを送るので、ムーミンのグッズも入れたいと言っていた。

だからオレも真似をする事にした。
来月、母と叔母に送る荷物の中にムーミンを入れてやろうと。

「温かそうなグッズがあると良いな。タオルとか、膝掛けとか、貴方の持っているぬいぐるみみたいにほわほわしているやつ」
「オレもそう考えていた。向こうはもうとっても寒いから」
「オレからも貴方の祖母さんに何かプレゼントさせてくれ」
「良いの? じゃあオレもお前のママと叔母さんにプレゼントするよ」

明日は何時に家を出よう?
どんなものが売ってるかな?
買い過ぎたらどうしよう?
その後、どこで食べる?

飲み物をお代わりして、そんな尽きぬ話をした。

楽しかった。
だが、不意にオレに重い眠気がやってきた。
仕事をしている間は平気だったが、心地良く紅茶を飲んでいるうちに頭がボンヤリとしてきてしまった。

奴に眠気を悟られまいとして懸命に目を開いた。だが自然と朦朧となってしまう眼差しはどうにもならず、間もなく奴に見破られてしまった。

「眠そうな顔。もう家に帰ってご飯を食べよう」
「まだ平気だぞ」
「声もかすれてるよ」
「あーあー、しゃべり過ぎたせいだ」
「誤魔化さないの。帰ろう。でもちょっとだけスーパーに付き合って。パスタを買っておきたいんだ」

休日前のデートは最高に楽しいのに早々に終わってしまった。

空には今夜も月が浮かんでいた。
オレは奴の腕を引っ張って「月がキレイだぞ」と言って、こんなに早く帰るのは勿体無いじゃないかと遠巻きに訴えた。……「わあ、本当だね!」とだけ言われて、聞き届けては貰えなかったが。鈍感な兎さんめ(笑)

スーパーに行ってみればハロウィンのお菓子がたくさん売られていた。
今年も部屋にハロウィン飾りを置くつもりだったので、黒いマント?に身を包んだテディを一匹、家に連れて帰る事にした(キャンディとラムネが数個付いていた)

2013_09_21_7.jpg

帰宅してから奴はそのテディを手にして、オレの耳元にテディの顔を寄せて、「起きていて大丈夫? 早い時間に寝室に行くのが寂しいならここに毛布を持ってくるよ?」などと言った。

正直なところ眠かったが、人形遊びをする奴が可愛くて笑えた。
「可愛いな、貴方は。なんだってこんなに可愛いんだ!」と、いきなり奴を抱き締めて奴を驚かせた。

「今にも眠そうな顔だったのに……ビックリした」
「眠いんだがな。貴方が言った通り、こんなに早く眠るのは寂しいんだ。一人でベッドに行きたくない」
「やっぱり」
「土曜日の夜だしな。だからまだオレと遊んでくれ。学校の課題が忙しいなら良いけど」
「ふふ、本当は課題で忙しくても行って欲しくないくせに」

奴はオレの膝の上に跨いで座り、ニッと微笑んでオレの鼻に自分の鼻先をくっつけた(猫の挨拶)
図星を当てられたオレは照れくさくなり、照れを隠す為に奴にキスをした。

「何をして遊ぶ?」
「話をしよう」
「うん、明日はずっと一緒にいられるね」
「そうだな」
「夜は家でゆっくりしたい。カレーを作って食べたいな」
「良いな、カレー」
「美味しいビーフとナンを買おう。……ねえ、お前の声がかすれてるよ」
「ああ……、だけどこうして話しているのが気持ち良いんだ。だからもう少し」

オレの口数は眠気で少なくなっていたが、他愛もない話は秋の夜長に続けられた。
しかし、取り留めもなく話していたら、ついにオレは眠るタイミングを失ってしまった。

少しだけ奴に叱られた。「眠気が覚めるまで起きていたらダメじゃない」と。
オレは「心配してくれてありがとう」と言った。
奴は「もう」と言って苦笑して、オレを抱き締めて少し頭を乱暴に撫でた。

身体を密着させたキスと抱擁が気持ち良かった。
テディを抱いている奴を抱いて、いつまでも虫の鳴き声を聞いていたかった。
ようやく休日に入った安堵を感じながら、今夜から奴とずっと一緒にいられる幸せに浸りながら。

しかしそろそろ限界だ。
眠気で何を書いているのか判らなくなってきた(汗)

今夜はもう眠って、明日は爽やかに起きてムーミン谷に行こう。
良いものを買えたらお披露目します(笑)
奴が気に入るものをたくさん買い物できたら良いな。

皆さんも明日は、充実した1日をお過ごし下さい。
明日も幸運に恵まれて、心躍る楽しい事があるように応援しています。

では、今夜も心地良く幸せな夢を。
おやすみ。

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好きだという色褪せない言葉
Sat.21.09.2013 Posted in 恋愛
奴が焼き鳥をメインに食べたいと言ったので、奥久慈軍鶏(しゃも)で有名な銀座の軍鶏料理店に行くことにした。

2013_09_20_3.jpg

オレ達が入ったのは比較的早い時間だったが、店内は既に満席に近い状態だった。空いている席は全て予約席だったので満席と同じだったが。

外国人の客が5組いて、予約を入れずに来た客が次々と入店を断られている様子を見て、「きっと美味しいんだろうね」と奴はワクワクしていた。

まずは赤ワインをボトルで頼んで乾杯。
それから次々と運ばれて来る軍鶏料理を食べながら楽しく話をした。

「ここの焼き鳥はバラエティだ」
「以前は銀座の焼き鳥屋といえば他の店を利用していたんだが、そこが芸能関係者ばかりをもてはやすようになって行かなくなった。そんな時、同じように思っていた知り合いがここを教えてくれたんだ」
「そんな事があったんだ。でも、ここってとても良い店だよ。美味しいし落ち着く」
「そう言って貰えて良かった」
「レバーが美味しい」
「オレはレバーって苦手だが、ここのは美味しく食べられるんだよな」

レバー好きの奴は、バケットに塗って食べるレバーのパテを好んだ。
「おかわりしたい」と言ったが、まだまだメニューは続くのでまたの機会まで我慢してもらった(実はこのパテ、モダンフレンチの重鎮ジョエル・ロブションが絶賛した逸品なので、奴が惚れ込むのも無理はなかった)

焼きチーズ(串に刺したチーズがとろけて出てくる)、親子丼、と続いた時、物珍しさに奴は喜んだ。

2013_09_20_2.jpg

「さっきの焼きチーズも美味しかったけど、この親子丼も美味しいね」
「軍鶏の肉が柔らかくて良い味だろ?」
「うん、それに軍鶏の肉はキレイだ。新鮮で臭みが全然ない」

いつもなら食事をしながら色々な話題が出てくるのだが、今日は料理の話ばかりに集中した。
それだけ奴は気に入ってくれたのだろう。今夜はこの店を選んで良かった。

2013_09_20_1.jpg

デザートに、軍鶏の卵で作ったプリンを出された。
普段それほど甘いものを好まない奴も、これには絶賛の声を発していた。

「なんて美味しいプリン。甘さがキツくなくて味が濃厚なのが良いね」
「デザートまで褒めるなんて珍しいな」
「そうだね。ふふ、こんなに美味しい店に案内してくれたお前を愛してるよ」
「ははは、餌付けが成功した」
「うん、成功。でもね、本当に大好きなんだよ。お前との食事はとっても楽しい」
「それはオレの台詞だ。今度は貴方をどこに連れて行こうって、レストランを決めるのも楽しいんだ」

もう何度もセックスをして、フェチやらSMやらもして、付き合いも3年以上になったが──しかし美味しい料理を一緒に食べている時、たまにオレ達は付き合い始めたばかりの頃のように初々しくなる。

どうやら奴は、美味しいものを食べて楽しくなると恐ろしく素直な言葉を口にしたくなるらしい。そしてオレも、そんな奴に釣られて素直になってしまう。というか、ならざるを得なくなる。あんな人懐っこい笑顔で「大好き」なんて言われたら、な。

純粋な気持ちで誰かに言う「好きだ」という言葉には、初々しい気持ちを蘇らせる言霊が秘められているのかもしれない。

それならオレは何歳になっても奴に「好きだ」と言ってやろう。
いつまでも奴への気持ちを枯らせたくはないし、それにその言葉を言う時、オレ自身も幸せな気持ちになっているから。

「この後は買い物をする?」
「今夜も月がキレイだからホテルに行くか?」
「え」
「あのホテルの部屋が空いていれば……」
「あのホテルって、あの?」

オレは奴に頷いて見せて、そのホテルに空室状況を問い合わせた。
だがバルコニーのある部屋はソールドアウト! まあ、金曜日の夜に人気のラブホテルを確保するのは至難の業だからな(汗)

仕方がないので、買い物をして帰る事にした。
明日は、オレは仕事、奴は学校の課題の追い込み。「お互いに頑張ろうな」と、明日の朝食の材料を買って帰宅した。

早く明日が終われば良い。
今夜は既に夜更かしをしているので、明日は眠気で辛い1日となりそうだ……。

土曜日に、ましてや連休の初日に仕事なんて信じられないぜ。
だがそれは来月に有給を取る為だからな。
だから頑張って行かなくてはならない。奴とハロウィン・インパデートをする為に!

という訳で、
皆さんも楽しい金曜日を過ごされたか?

連休でもうレジャーに出発されている方もいるだろうな。
どうか楽しい休日をお過ごし下さい。連休中にも幸運な事がたくさんあるように応援しています。

では、今夜もゆっくりと心地の良い眠りを。
おやすみ。

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