中秋の満月兎よ、また8年後に会おうぜ
Thu.19.09.2013 Posted in 恋愛
『帰ったら月見をしような。美味しい団子を買っておくぞ』

と、オレは奴にメールでそう伝えたのだが、売り切れていた。
デパ地下も、和菓子屋二軒も、団子が売られていたと思われる『台』があるばかりで、その上にはもうなにもなかった。

20時過ぎていたのが悪かったようだ。こんな事なら途中で仕事を抜けだして先に団子をゲットしておけば良かったぜ(泣)

仕方がないので赤ワインだけを買った。
団子が買えなかった事への侘びを込めて、ゴディバの黒猫ラベルのチョコレートも添えて。

帰宅はオレの方が先だった。
奴はオレよりも1時間ほど後に帰宅して、「R、ただいま! 月が凄くキレイだね! すぐにベランダでお団子を食べよう!」と言った。

奴の声は生き生きとしていた。
奴は甘党ではないので、それほど団子を食べたい訳でもないだろうと思っていたが……大誤算だった(汗)

オレは黒猫チョコを奴に差し出しながら言った。「すまない、団子はどの店も売り切れていたんだ。代りにこれを食べないか?」と。

奴は『ええ!』という風に目を丸くさせた。
だがすぐにゴディバの黒猫を受け取って「今年のゴディバのハロウィンは可愛いね」と微笑んだ。

「10月1日からは黒猫のトートバッグのプレゼントがあるそうだぞ」
「どんなバッグだろう?」
「えっとな、iPhoneで見せる。これがそのバッグだ
「あ、可愛い。ねえ、2人で違う種類のチョコを買ってハロウィンに食べようよ。それでバッグを貰えたら……オレが貰っても良い?」
「ははは、良いぞ」

『団子が買えなかった事件』はそれで幕を閉じるのかと思っていた。
だがそうではなかった。

ゴディバ猫の話が終わると奴はこう言った。
「まだ月が出ているね。せっかくあんなにキレイなんだから外に出て見ない? ついでにコンビニに行ってみよう。コンビニならまだお団子があるかもしれないよ」

そういえば奴は『情緒ある和の文化』を愛する男だったからな。
今夜はどうしても、月を眺めながら団子を食べるという日本の伝統に耽けたかったのだろう。

勿論、オレはOKした。
奴と一緒に外に出て、夜道を歩きながら丸い月を眺めた。

「お団子、あると良いね」
「あれば良いな」
「ありますように」
「あると信じよう」

果たしてコンビニに入ってみれば、そこにはちゃんと団子が売られていた(近所のファミアさん、ありがとうございます)

本当は15個入りパックが欲しかったが(団子を乗せる台が付いていたので)、それでは多いので3個が串に刺さっているものを2本買った。
そして帰り道に、来た時よりもゆっくりと歩きながら食べた。

「んー餡が甘い」
「嬉しそうだな。そんなに団子が食べたかったのか?」
「だって今年は名月に満月が見られる珍しい日なんでしょ?」
「ああ、今年を逃すと次は2021年になる」
「そう。だからお前が『絶対に団子を食べるぞ!』って楽しそうに言っていたからオレもとっても食べたくなったんだ」

なるほど、オレはそんなに嬉しそうにしていたのか。自覚はなかったが子供ぽかったな(笑)

だが本当に嬉しかったんだ。
そんな滅多にない日なのに奇跡的な天気に恵まれて美しい名月が見られて、だから絶対に奴と中秋の夜を過ごしたかった。ちゃんと団子を買って、風流に。

「ちょっとこの辺で止まって月を見ないか?」
「そうしよう。記念に写真も撮りたい」
「月を背景に貴方を撮ってやる」
「あはは。じゃあ次はお前を撮るね」

団子を食べ終わった後、オレ達は暫し月を背景に戯れた。
写真を撮って奴の祖母さんに送ったり、ハグしたり、月の兎を探したり。

「いた、あそこだ」
「ああ、いるな。団子にする餅を突いているんだろう?」
「オレは子供の頃、月には怖い男が住んでいるって聞かされたよ」
「何だそれ、怖いな」
「兎とか蟹だって言い伝えもあったけどね」
「貴方はどれを信じていた?」
「猫」
「ぶ、猫か!」
「猫にも見えるよ。ほら」

20分ぐらい立ち話をした。
自宅のドアの前まで帰って来ても、名残惜しく振り返って月を見上げた。

次に『満月の中秋の名月』が見られるのは2021年で8年後だ。

その時も貴方と一緒に見られたら良いなとオレは思った。
幸運をもたらすという月に願いを掛ければ叶えてくれそうに思えて、奴に聞こえないぐらい小さな声でその願い事を唱えた。

8年後も貴方と仲睦まじく一緒に暮らしていますように。
8年後もこうして貴方と一緒に名月を見上げていますように。

ついでに、来月は予定通りにインパデートして、奴に◯◯◯をプレゼント出来ますように!

「ちゃんと団子も食べられたし、良い月見だったな」
「うん、コンビニまで行って良かった」
「8年後も一緒に見ような」
「うん」

少々照れくさい思いをしながら言ったが、言って良かった。

8年後はオレも40代の大台一歩手前だ。
その年令になっても一緒にいるって事は結婚しているようなものだよな。どうせならちゃんと形式を守ってそうしたいぜ。奴のご両親への挨拶とか、役所に届けとか、挙式とか。

という訳で、良い日だった。

皆さんも楽しく月見をされたか?
今夜の美しい満月が皆さんの願い事を叶えてくれますように。そして幸運な出来事をたくさんもたらしてくれますように。

今週の平日もあと1日だ。
連休一歩手前の明日を楽しく乗り切ろうな。

では、今夜もゆっくりと幸せな夢を。
おやすみ。

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