秋の夜長に焼き秋刀魚
Wed.18.09.2013 Posted in 恋愛
「今夜、学校が終わるのは遅いか?」
「どうして?」
「オレの仕事が終わるのは21時頃だが、貴方もそのぐらいだったら居酒屋でも行かないか?」
「そうだね……。そうしようか」

夕方、オフィスでオレは奴を誘った。
差し入れのビーフサンドと野菜ジュースを渡した時に、急に今夜は奴と飲みたくなって。

オレのモットーで、稼ぎの悪い日にこそ羽振り良く飲むようにしているのだが、今日もそれと同じで、気落ちする事があった日にそ楽しく飲みたくなった。今朝の悪運(嫌な気分)を断ち切って、今後はもう奴を落ち込ませる出来事が起きないように。

初めて入る店だったがなかなか良かった。
完全な個室になっていて、足は掘りごたつ風で、2人だけでリラックスして飲み食いする事ができた。

「焼き鳥はどうする? オレはにんにく間とねぎ間」
「にんにく、今日食べて大丈夫かな? 美味しそうだけど」
「しっかりケアすれば大丈夫だろう。今日はどうしても食べたいんだ。夕方、物凄く腹が減っている時にこれの良い匂いを嗅いで倒れそうになってな」
「あはは。じゃあオレも頼もう。後はね……」
「秋刀魚があるぞ。今年初の秋刀魚を食べておくか」
「一口欲しいな」
「食べさせてやるぞ」

スタッフがオーダーを取り来た後、オレ達はテーブルの下で足を絡ませて遊んだ。

はじめは奴がオレの足を「えい!」と踏んだ。
それからオレが「お仕置きか?」と言って、オレの足の上に乗っている奴の足を足で撫でた。足足と足フェチの世界だな(笑)

奴の気分の落ち込みはかなり治ったようだった。
だがちゃんと言っておいた。「今朝の猫、貴方が止めてくれたから逃げることが出来たんだ。良かった」と(気の利いた事が浮かばなったオレの代りに、奴に言うべき事を教えて下さったMさんに感謝致します。ありがとうございます)

「……うん、ありがとう」

奴はまた少し悲しそうな顔をしたが、微笑んだ。
そして「こういう作りのお店も良いね。楽しい」と言って、両足でオレの足をぎゅうぎゅうと踏んだ。

この店を選んで良かったと思った。
そんな他愛もないじゃれ付きも奴の気持ちをなだめてくれたのだから。

次々に料理が運ばれてきて、最後の方で秋刀魚が来た。
タップリと大根おろしが添えられた焼き秋刀魚は、姿も匂いも美味しそうだった。

「いつの間にか秋刀魚の季節だな。今年もこれが食べられて嬉しいぜ」
「わあ、美味しそう。一口」
「いま身を取ってやる」

オレは骨を除けて秋刀魚の白い身を箸で摘んで奴の口に運んだ。
奴はそれをパクリと食べた。そしてニコニコしながら口をモグモグとさせて、「美味しいね!」と言った。

「美味しいか。良かった。ほら、もう一口」
「ありがとう」

奴に秋刀魚を食べさせている間、案の定、オレは猫にご飯を与えている気分だった。
奴は『美味しい、ありがとう』等と言っていたが、本当は『にゃーん』と鳴いて欲しかった。その一鳴きでも『美味しい、ありがとう』はちゃんと伝わるから(笑)

時間が遅かったので余りゆっくり出来なかったが、楽しい居酒屋晩ご飯だった。

奴を誘って良かった。
奴に大切な事を言えて良かった。
奴に秋刀魚を食べさせられて良かった。

奴を励ますつもりで居酒屋に行ったが、オレまで十分にほっこりと幸せな気分になれた。
『落ち込む事があった時にこそ楽しく羽振り良く』というオレのモットーは、今夜は特に大正解だったのかもしれない。

==========

という訳で、
皆さんも落ち込む事があっても、必ずその後に良い事がありますように。

明日は大忙しな木曜日だ。
仕事に勤しみながら、奴と皆さんの幸運を祈っています。

週末まであと少し。
連休に思いを馳せて頑張ろうな。

では、今夜も心地良く楽しい夢を。
おやすみ。

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幸せな光景が好きという話
Wed.18.09.2013 Posted in 恋愛
今朝も良い天気だったが、
今朝の奴は昨日とは違って元気だった。

目覚ましが鳴る前に起きて、猫様と猫体操をして(食後の猫様の伸びたり転がったりするポーズを真似していた、と奴から後から聞いた)、朝食を作ってくれた。

オレは卵の焼ける良い匂いで目を覚ました。
なんて理想的な朝だったのだろう。

ベッドを出て「おはよう、今朝は早いな」と奴に声を掛ければ、奴は、フライパンを手にしたまま「おはよう。目覚めが良かったんだ」と言って微笑んだ。

テーブルの上には既に出来上がったサラダとスープ、そしてバケットが乗せられていた。

「こういうちゃんとした朝食も久しぶりだな」
「顔を洗ってきて。卵もすぐに焼けるから」
「ありがとう」

洗面に向かう前に奴を抱擁した。
今朝の奴はご機嫌で優しくて、そんな奴にハグをしていると、今日はとても良い事が起こりそうな気がした。

洗面で顔を洗ってヒゲを剃っていた。
しかしその時、突然外の方で猫の凄い悲鳴が聞こえたので驚いてリビングに戻った。

「猫の喧嘩か?」
「そうじゃないみたい……あ、酷い!」

奴はそう言って、怒ったようにベランダのガラス戸を勢い良くガラッと開けた。そして外に向かって「こら! &¥!%#(早口の英語で解読不可」と叫んだ。

一体なにごとかとオレもベランダに出た。
すると、大柄の男が慌てて近くのマンションの中に駆け去る姿と、猛スピードで逃げて行く黒猫の姿があった。

「どうした?」
「事情は判らない。でもあの男が猫を階段の壁に追い詰めて蹴り飛付けていたんだ」
「なに!?」

猫が骨折や怪我をしていないか心配になった。ダッシュで逃げていたので大丈夫だったら良いのだが。

「虐待か?」
「ゴミを荒らすとか発情期の声がうるさいとか、そういう事情で猫を邪魔に思っている人もいるから……でもあんな事をされたら猫は死んじゃうよ」

奴はいつまでも外を眺めていた。
猫が心配だったのだろう。そして、あの男が猫を追いかけてまた暴力を振るわないか不安だったのかもしれない。

幸い、この近辺で猫が虐待されたという事件を聞いたことはない。だが今朝のような状況で怪我をする(最悪の場合は亡くなってしまう)猫は少なくないのかもしれない。

楽しかった朝の光景に陰りが差した。
人間にとっての迷惑は判らなくもない。だがそれは人間の都合で猫が増え続けた結果であり、それを暴力で止めようとする事に気分が重くなった。

オレも奴も残酷な事は苦手だ。
有無を言えぬ弱者への一方的な暴力を見ると辛くなる。そんなものはこの世から全てなくなればいい。

「紅茶を淹れよう」
「ミルクティにして」
「ウイスキーは?」
「はは……蜂蜜を」
「了解。飲んだら食べようぜ。その朝食はすごく美味しそうだ」

奴を慰める上手い言葉が浮かばなかった。
猫様が気持ち良さそうに眠っているのがせめてもの慰めとなったように思う。

そんな訳で、奴は元気だろうか?
一緒にランチしたかったが、今日もオレは仕事上で他の人と約束がっあった。

午後に何か差し入れをしてやろう。
奴の好きなベーカリーでサンドイッチを買うか。
今日も奴が遅くまで頑張れるように、美味しいのを色々と選んで。

皆さんも充実した一日をお過ごしください。
今日もたくさんの良い出来事があるように応援しています。

では、また時間に余裕があれば夜に。

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